シュッツ晩年の深い精神性が卓抜の演奏により現代によみがえる



【ハインリッヒ・シュッツ ヨハネ受難曲 受難モテット】
[OCM-006]
【「レコード芸術」誌 1994年7月号・音楽史部門準推薦盤】


 収録曲(収録順)
・受難モテット   「カンツィオネス・サクレ 1625年」より
  Quid commisisti, o dulcissime puer  SWV 56
  Ego sum tui plaga doloris  SWV 57
  Ego enim inique egi  SWV 58
  Quo, nate dei  SWV 59
  Calicem salutaris accipiam  SWV 60

・ヨハネ受難曲
〜福音史家聖ヨハネスに基づく我らの主、救い主、イエス・キリストの受難と死の物語〜

 録音データ 
 ・1993年10月9,10日 京都府立府民ホール「アルティ」

 ご好評につき完売致しました。



 ■団員からのメッセージ
・パッションモテットは5曲を通してイエスの受難に対する問いかけ、 イエスを死に追いやった自らの罪を認め、受け入れ、そのイエスに対して何をなすべきか自問し、 そして自らのなすべき事を、進むべき道を示して終わります。 この曲が作られた1625年がドイツに荒廃をもたらした30年戦争のさなかと言うことを考えるとこのCDを聞く度に、 曲に対する感動以上の何かを感じます。ヨハネ受難曲はシュッツの晩年に作曲されたものです。 このCDのヨハネを目を閉じながら聞くと、 ドイツなどで見た教会の中にある受難をモティーフにしたレリーフや絵画が浮かんできて、 時代を超えてその当時の礼拝に参加している錯覚におそわれます。 バッハのヨハネに較べて静かですが逆に受難の劇的なものがダイレクトに伝わってくる、そんな演奏です。 テレビも映画もなかった時代ですが、 その当時の聞く人にとってまるでレリーフや絵画のイエスやその他の登場人物が言葉を持って喋り始めたように感じたのではないか、 そんなことを感じるCDです。

・熱い思いで歌い語られた受難物語。H・シュッツの初期と後期の作品を、この一枚で聴くことができます。 例にもれずこのCDもライブ録音ですが、これだけの規模の無伴奏作品をライブでこれ程の演奏をしてしまうとは、 内輪ながら「すごい」と思ってしまいます。 特にヨハネ受難曲の最後の合唱には涙がでてしまいます。