J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオ ~第1部~
ここ数日ぐっと寒さを増し、街はぼつぼつクリスマスの準備が始まっています。
大阪コレギウム・ムジクムでは、12/21(日)にクリスマス・コンサートと題して、クリスマスにちなんだ曲をお贈りします。
今年は実に4年ぶりとなる、J.S.バッハ作曲「クリスマス・オラトリオ」を演奏します。
6部構成の壮大なこの曲、12/25~1/6のクリスマスの期間の中の祝祭日6日間に演奏するために作曲されています。今年は第1~3部(降誕節3つの祝日12/25、12/26、12/27用)をお届けします。
今週は、第1部 降誕節祝日12/25用について、物語に沿ってご紹介します。
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クリスマス・オラトリオの第1部はティンパニの心躍るリズムに導かれ、トランペットが高らかに鳴り響き、華やかな幕開けで始まります。
■第1曲 合唱曲(SATB):トランペット3本、ティンパニ、フルート2本オーボエ2本、弦、通奏低音
まさに今この世に生まれようとしている救世主キリストを、心躍る思いで、熱く胸を燃やして歓喜の声を高らかにあげる合唱が迎えます。
■第2曲 福音史家(T)
福音史家が聖書を語ります。皇帝の勅令により、帝国の人々は各々登録をするために故郷へと向かいます。マリアとヨセフもナザレの町を出て、ベツレヘムへ向かいます。そこで身重のマリアは産み月を迎えるのです。
■第3曲 レチタティーヴォ・アコンパニャート(A)
■第4曲 アリア(A):オーボエとヴァイオリン、通奏低音
アルトによるレチタティーヴォ、続くアリアにより、最愛の花婿、ダビデの勇士を、燃える思いで迎え、愛するために備える心が歌われます。
■第5曲 コラール(SATB)
第1部の中心となるコラール。「どのように貴方をお迎えすれば良いのでしょうか」と歌うそのコラールに、受難コラールのテーマを用い、神の御子の誕生とともに受難への道が始まっていることを示し、敬虔で深い祈りを歌います。
■第6曲 福音史家(T)
福音史家による語り。マリアは男の子を産み、その子を布でくるんで飼い葉桶に寝かせました。宿には彼らのための場所がなかったのです。
■第7曲 コラール(S+B):オーボエ2本、通奏低音
貧しい様で自ら人としてこの世に生まれようとしておられるこの方こそが、私たちの救い主なのです。喜びの知らせをベースのレチタティーヴォとソプラノのコラールで語ります。
■第8曲 アリア(B):トランペット、フルート、弦、通奏低音
飼い葉桶の中で眠っている幼子こそが、大いなる主、強い王、愛する救い主であることを高らかにうたいます。
■第9曲 コラール(SATB):1曲目と同編成
心から愛する幼子イエス、清く柔らかな寝床で憩わせたまえ、と歌う温かく優しいコラール。トランペットが高らかに歓呼のファンファーレを奏で、この幼子こそが王であることを示しています。最後の一節では、力強い信仰告白を歌い、第1部を閉じます。
(2008. 11. 14. コレ・マガ 第362号より転載)
【2008/12/14】
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