12/23マンスリーコンサート曲目紹介
F. プーランク/アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り


「アッシジの聖フランチェスコ」は中世イタリアのアッシジの町で商人の家に生まれ、修道士となって清貧に徹し、イエス・キリストに最も近づいたとも言われる聖人です。フランシスコ会の創始者としても知られています。
プーランクによる4曲の男声合唱は、フランス語の柔らかな語感や薫るようなハーモニーが大変美しく、また熱い信仰の思いがあふれ出してくるような名曲です。

今までOCMでも何度か演奏していますが、今回はマンスリー・コンサート<クリスマス・スペシャル>で、男声合唱の華やかな響きをお届けします!

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1.Salut, Dame Sainte(栄えあれ、聖母)
 プーランクらしい美しいメロディーと柔らかなハーモニーは、やがて豊かで華やかな音楽に変わり、聖母マリアとその内に宿る神の恩寵を讃えます。
 神の恩寵が「私たち不実な者」の心に美徳をもたらし、私たちを神の教えに忠実な信者へと立ち帰らせてくれるようにと、誠実な祈りを捧げます。

2.Tout puisant, tre`s saint(全能にして至聖なる)
 輝くようなハーモニーで、至高にして普遍の善である神の栄光を讃えます。
 短い曲の中で内声パートが2度音程で進行し、和音の色が次々に移り変わっていくのが特徴的です。
 「絶えずあらゆる善行をあなたに帰することができますように」と神への祈りの言葉で曲は終わります。

3.Seigneur, je vous en prie(主よ、どうか)
 魂の救いを熱望する気持ちが歌われます。
 「私の愛に対する慈悲」によって十字架の死を引き受けたイエスに対して、「私はあなたの慈悲に応える愛のために死にたいのです」と語りかける場面は、熱くあふれる思いと深い信仰とが鮮明に表現されています。

4.O mes tre`s chers fre`res(おお、私の親愛なる兄弟たちよ)
 冒頭テノールのソロから始まるこの歌は、カトリックの教会で高位の修道士が、あるいは聖フランチェスコ自身が信者に語りかけるかのようです。
 神が約束した、神に選ばれた者は永遠の栄光を受け、選ばれなかった者は永劫の罰を受けるという最後の審判。神の約束を切望し、そのために現世では神の教えに従う約束を守ることを説きます。
 厳かな響きが、中世修道院の礼拝堂の光景を目に浮かばせてくれます。

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今年のクリスマスは歌いたい曲がたくさんあって、21日のクリスマス・コンサートと23日のマンスリー・コンサートの2回にようやく収まりました。(^ ^;)
いつにも増して聴き所が満載のマンスリー・コンサートになっています。
ぜひ両日あわせて、今年最後のOCMの演奏会をお楽しみください!

(2008. 12. 5. コレ・マガ 第365号より転載)

【2008/12/23】