ドイツ音楽の魅力 ~梅雨空にドイツの風
   (「シュッツの会便り」掲載記事より)


「ドイツ音楽の魅力」まで、あと2週間となりました!
今回は、「シュッツの会便り」に掲載されました記事をご紹介します。


〈梅雨空にドイツの風〉
                               ベース:園田恭弘

「ドイツ音楽の魅力」と題された今回の演奏会。演目の発表に、思わず「聴きに行きたい!」と叫んだ団員は、私だけではなかったと思います。

プログラミングの妙と申しますか、身内で言うのも変ですが、これはちょっとやそっとでは真似できませんよ。ベートーヴェンを中心にドイツ音楽の系譜をたどるプログラムは、演奏時間が30分を超えるような大曲はないことから、一見地味に思えるかもしれませんが、作曲家の技術と個性が凝縮された濃い音楽が並びました。合唱団にもオーケストラにも、ピアニストにも確かな腕前が要求されます。それでいて、難渋かというと、とんでもない。耳に心地よく、ストレートに心に響いてくるものばかりで、コアな音楽ファンから、クラシックはあんまりという方にも、幅広く楽しんでいただけるものと思います。

合唱団の出番は、バッハのモテット「主に向かって新しい歌を歌え」とベートーヴェンの「合唱幻想曲」の2曲です。バッハは、昨夏の北海道公演でも演奏し、レパートリー化しているものですが、一気呵成の爽快感はそのままに、隅々まで神経の行きとどいた奥行きのある演奏をめざして改めて練習に励んでいます。私個人としても、この曲は、合唱団員としての試金石だと思っています。未熟なところもさらけだすことになりますが、逃げることなく、心を開き、体を開き、のどを開いて、再びチャレンジしたいと思います。

もう一つの「幻想曲」は、ベートーヴェンとしては、深刻ぶったところのない、派手めで華やかな音楽です。豪壮なところ、しつこいところは、いかにもベートーヴェンですが。最初のピアノ・ソロが終わってテーマがいろんな楽器で繰り返されますが、その後、弦楽カルテットになって、クレッシェンド、トゥッティになるところがいちばん好きです。ベートーヴェンも楽しんで書いていますよね。きっと。テーマも後年の第九の歓喜の歌とどことなく似ているのもおもしろいです。

梅雨の最中の湿っぽい時期の演奏会になりますが、この日ばかりは、お客様にドイツの空気をお感じいただけるよう、しっかり準備をして臨みたいと思います。

(シュッツの会便り2009年6月号より転載)

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練習にもいよいよ熱が入り、団内は今、ドイツに染まっています(^^)
バッハ、そしてベートーヴェン。天才たちの芸術に、どこまで近づけるか・・
歌い手としての楽しみ、苦しみを味わいながら、高みを目指しています。

どうぞ、27日はいずみホールへぜひ、お越し下さい!

【2009/06/20】