邦人合唱曲シリーズへのお誘い ~千原英喜「ある真夜中に」
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混声合唱とピアノのための組曲「ある真夜中に」は、瀬戸内寂聴の詞をテキストにした「愛から悩みが生まれ」「この星に生まれて」「寂庵の祈り」「ある真夜中に」の4曲より構成されています。
終曲の「ある真夜中に」は、第73回(2006年度)NHK全国学校音楽コンクールの高等学校の部の課題曲として作曲されたもので、広く若い世代に歌われ親しまれている曲でもあります。

この組曲を通じてのテーマは「愛」。
瀬戸内寂聴が説く、愛についての手引きといってもいいでしょう。

 第一曲:愛から悩みが生まれ
  「迷いと苦悩」
  突然、我が身に落ちてきた愛。そこから生まれる悩み、苦しみ・恐れ。
  
 第二曲:この星に生まれて
  「愛する幸せと感謝」
  あなたとの出逢いで知った愛する幸せ、そして生きる喜び。
  
 第三曲:寂庵の祈り
  「祈り」
  すべての世界の人々の幸せと平和を祈る。静かな祈りから、やがて高らか
  なトランペットのファンファーレへと変わっていく。

 第四曲:ある真夜中に
  「時空を超えた愛」
  花びらと雪の熱い語らい。それは究極の愛のかたち、無償の愛を表してい
  るかのよう。

それぞれの詞につけられた、美しく情熱的でダイナミックな音の世界。
それはまさしく、千原作品の持つ「エクスタシー」の世界そのものではないでしょうか。

【2009/09/25】