私たちの原点・シュッツ、バッハから現代を見据えて


今年創立35周年を迎えたOCM。その活動は、大阪市内のとある教会でのアットホームな「月例会(今のマンスリー・コンサート)」から始まりました。
オルガニスト・当間修一の音楽理念を追求するために集まったのは、まずは器楽奏者(今のSCO)。一年遅れて合唱団が発足したと言います。

その頃の主なレパートリーは、バッハやシュッツを中心とするバロック音楽でした。バッハはまだしも、シュッツの合唱曲に至ってはまだまだ知名度がなく演奏される機会もほとんどない、いわゆる“マイナー”な曲を集めたプログラムが多かったと今にして思うのですが、それでも礼拝堂はいつも何か熱いモノ(何でしょう?)に満ちていたように思います…。

35年経った今日、私たちのレパートリーも本当に広がりました。文字通りの『古今東西』の曲たちを演奏し、怒濤の日々を送る中、時折バッハやシュッツに立ち戻った時の安心感、これぞホーム、という自負とそして新たな感動。
古い団員たちは自分たちが新人だったあの頃を否が応にも思い出し、そして新しい団員たちはおそらく、我らがかつて味わった“驚きととまどいと無力感と怖いもの知らずの好奇心と楽しさ”を体験しているのではないかと思うのです。
が…

演奏するごとにより踏み込んだアプローチ、より高いテクニック、精神性を求める当間先生。老いも若きも(^^;;)自分たちの固定観念どころではなくより新鮮な、生きた音創りに日夜励んでおります。そこからこそ見えてくる、千原英喜、鈴木憲夫、そしてバルトークしかり。

今年の名古屋公演では、私たちの『原点』から『現点』に至るまで、じっくりと味わっていただけることと思います。3月14日はぜひ、しらかわホールにお運び下さい。

※□■コレ・マガ■□ 第427号(2010.3.5)より転載

【2010/03/05】