シューベルト『キプロスの女王ロザムンデ』をお楽しみに!


6月20日は、ベートーヴェン、シューベルトをたっぷりお楽しみいただく演奏会、「楽興の時への誘い」です!

今週は、「シュッツの会便り」より、シューベルト『キプロスの女王ロザムンデ』の中から合唱曲3曲をご紹介した記事を、コレ・マガ読者の皆様にも少しご紹介します。

『ロザムンデ』は、劇付随音楽で、序曲、間奏曲、バレエ音楽、独唱曲、合唱曲で構成されています。
残念ながら台本が残っておらず、各曲がどんな場面で演奏されたのか、詳しいことは分かりません。
ですが、それぞれの曲は本当に情景が目に浮かぶようで、どんなストーリーのどんな場面だったのか、想像を巡らせたくなります。

文筆は、ソプラノの安藤朋子さんです。

●Jägerchor(狩人の合唱)
野山を駆ける敏捷な鹿を、狩人が矢で狙い仕留める情景と、最後に愛の喜びを歌う生き生きと明るい歌。ホルンが賑やかに響く快活な曲です。(後略)

●Hirtenchor(牧人の合唱)
クラリネットの牧歌的なメロディの前奏から始まる、喜びに満ちた春の草原で楽しく踊る羊飼いたちの歌。(中略)『ロザムンデ』では、序曲の最初の部分にも印象的なクラリネットとオーボエの重奏があり、のどかに明るく、また時に憂いを帯びるこれら木管楽器の音色はシューベルトのメロディに乗って美しく響いて、曲の聴きどころの一つだと思います。

●Geisterchor(聖霊の合唱)
この曲は男声合唱・ホルン3本・トローンボーン3本で演奏されます。(中略)シンプルな曲の中の、ハーモニーの変化の巧みな美しさをご堪能下さい。宗教曲の如き厳かさも湛え、男声・金管の力強さとまた弱音も美しく、実に「ドイツ音楽」らしい音楽です。

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この『ロザムンデ』、全曲が演奏されることはそう多くありません。この機会をぜひお見逃しなく!


□■コレ・マガ■□ 第438号(2010.5.21発行)より

【2010/06/18】