京都公演[邦人合唱曲シリーズ]


9月23日(木祝)の京都公演[邦人合唱曲シリーズ]本番までもう一月を切りました。秋の事始となる京都公演に向けて、厳しい残暑の中、練習が本格化しています!

今回の大きな目玉は、大阪コレギウム・ムジクム創立35周年記念の委嘱作品シリーズ第1弾、西村 朗による無伴奏混声合唱組曲「鳥の国」です。
西村氏が佐々木幹郎氏の詩集「蜂蜜採り」を題材として手がけた合唱組曲三部作の3作目にあたる作品。
用いられた詩「鳥の国」「山の時計」「川の幻」は、『生と死と再生の臨界域に存在している(作曲解説より)』世界として描かれています。人間の五感を生々しく刺激するような音楽が立ち上がってきます。

また、「宮沢賢治の世界」シリーズ公演以来となる高田三郎の作品より、今回演奏するのは混声合唱とピアノのための「ヨハネによる福音」。クリスチャンであった高田氏は、かつてラテン語で行われていたミサが各国語で行われるようになって以来、200曲以上の典礼聖歌を作曲しています。ヨハネ福音書のテキストを題材とした「ヨハネによる福音」には、作曲者が自身の信仰を問い、刻み付けていくかのような独特の音の運びがあります。そして高田作品に共通して流れる日本語に対する慈しみ深い感性も、この曲の大きな魅力となっています。

練習が進むにつれ、曲の像が徐々に浮かび上がってきています。
今回ご紹介した以外にも魅力的なプログラムが詰まった[邦人合唱曲シリーズ]について今後も、コレ・マガでどんどんご紹介していく予定です。
ご期待ください!


―□■コレ・マガ■□ 第451号(2010.8.27発行)より転載

【2010/09/16】