1997/7/6
<ハーモニーの中にとろけてしまった、「Rの音楽会」 >

(今回の担当:SOP 黒崎清美)

「アウローラの演奏会」、これがあると思うと、7/4は朝からとてもうれしい気持ちでした。演奏会の行われるリーガロイヤルホテル(旧ロイヤルホテル)のクリスタルチャペルに入っていくと、いつもとは違った一種独特のホテルの雰囲気が漂っていました。
いよいよ演奏会の始まりです。どんな風に響くのだろう? 期待で胸がいっぱいです。

1部、1曲目 ダウラント「Come Again」。 第1声のハーモニーが本当に美しくて、まず鳥肌がたちました。 後でメンバーに聞いてみると、リハーサルとは全然違った響きになっていたらしく大変だった様です。しかし、私には素晴らしい第1声に聞こえました。
私がシュッツ合唱団に入団して驚いたことの1つに、「リハーサルも本番の1部」という事があります。演奏会当日にはそのホールの響きをつかむまで、真剣勝負が何度もあるということです。だから当然、シュッツ合唱団のトップメンバー構成によるアウローラの、リハーサルからの音楽作りは相当なものだった事でしょう。 本番になって響きが変ってしまっても、限られた短い時間の中で1人1人が皆の息を感じ、ホールの響きを感じ取るアンサンブル能力には、ただ、ただ、脱帽です。

1部の締めくくりは、タリスの「エレミア哀歌」でした。 アウローラの演奏は、”指揮者なし”が基本という事ですが、この曲に関しては当間先生が指揮をされました。
今までちょっと遠い感じがしたチャペルの響きだったのですが、 先生の音楽と、メンバーの気持ちが一緒になって「エレミア哀歌」が客席にとんできました。私は、この曲の事はあまりよく解らないのですが、何回も聴いてみたい曲の1つになりました。

2部は「えっ、もう終わりなの!」というくらい、あっという間の時間でした。 見事にチャペルの響きは、アウローラのものになっていたと思います。 2部の1曲目は、カウンター、テナー、ベースの男性アンサンブル「こおろぎ」でスタートでした。お客さまをホットさせた素晴らしい演奏だったと思います。
当間先生が1部の最初から、1曲1曲わかりやすく説明を加えてくださったのですが、2部になると先生も客席の中に入ってきたというか、お客様の心をアウローラに近づけたというべきか、とにかく先生の思いが客席と、アウローラの距離を縮めたように思いました。
ヴィクトリアの「アヴェ マリア」では、第1コーラスと第2コーラスが舞台正面と、 2階パイプオルガン席で向き合って歌ったわけですが、曲の始まる前の、史ちゃんの祈るような顔がとても印象的でした。チャペルの中でハーモニーが見事に重なりました。
この「アヴェ マリア」は、お見事!!!という以外ありません。
ジャヌカンの「鳥の歌」では、並び方を変えたせいか、私には絵画を見ているような感じがしました。1人1人が鳥になって、木の枝に止まってさえずっている表情が今でも目に焼き付いています。
世界に誇れるアンサンブルだと思ってしまいました。

えっ!もう終わりなの? 何度この事を思った事でしょうか。
アンコールに、バードの「アヴェ ヴェルムコルプス」・武満の「翼」があったわけで すが、私はこの後に「武満のうた」を全曲聴きたいと勝手ながら思ってしましました。とにかくどの曲もいつも、前へ前へ音楽が流れています。
ハーモニーの美しさに感動して、思わず涙が出てしまう、あまりのハーモニーの美しさに、音楽に、とろけてしまったひとときでした 。


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