1999/1/8
<やっと今年の演奏会が終わりました
 その2 恐怖のゲネプロの巻>

(今回の担当:BASS.長井洋一)

昨年末の続編です。
年が改まってから去年のことを書くのも変な気もするのですが、お約束どおり「さらに恐ろしいこと」を書いてみたいと思います。

私達の演奏会の回数、曲目がいかに多いかは前回書きました。今回は演奏会当日に行 われる通称「ゲネ」(独 Generalprobe  演奏会前の総げいこ)、についてこっそ りとお教えしましょう。

はっきり言ってシュッツのゲネは 長い です!!
6時半開演の日のゲネはだいたい2時ぐらいに始まります。しかしその前に改善すべ き点について、コーアマスターからの諸注意、各パートリーダーからのチェックがあ ります。シュッツの練習では、いつも数十台の録音機材が前に並びます。(DAT、 MD、カセット、各自いろんな機材を持ってきます)その録音を聞いてのチェックで す。
また、全員そろって発声練習はしません。各自2時の音出しに合わせて、控え室でウ オーミングアップをします。ですから、1時過ぎには集まってきて、2時の音出しま での間もけっこう忙しいんです。

2時になって音出しが始まります。そのゲネの内容なんですが、ほとんど本番同様に 声を出し、歌い続けます。「本番前にそんなに声出したら疲れるやん?」と思われる 方もいらっしゃると思いますが、これは絶対必要な事と思われます。

理由は大きく3つ。
1つは、「立ち位置」の問題。オケ、合唱、ソロの立ち位置によって、会場での聞こ え方がかなり違うんです。50cm前か、後ろかでもかなり違います。ですから、自 分たちがベストと思う位置を決定するのには、本番と同様の演奏をしないとわからな いんです。

2つめは、実際の演奏が自分たちの意図する演奏になっているかどうかをチェックし ます。たとえば歌ってる者が「フォルテ」のつもりでも、聞いてる者が「フォルテ」 に聞こえなければそれは「フォルテ」ではないということです。「フォルテのつもり 」はお客さんには通用しないんです。その意味で、本番同様に声を出して確かめてお かないと、後で「こんなはずじゃなかったのに」ということになりかねないのです。

3つめは、ホールも一つの楽器ということです。どんな風に声を出せば「ホールが鳴 る」のかを十分に確かめておく必要があります。普段の狭い練習場の感覚ではなく、 広いホールに身体を馴らさないとホールは鳴ってくれないんです。もちろん、お客さ んが入ると響きはかなり変わります。ほとんどの場合がデッド、つまり響きにくくな ります。しかし、お客さんが入ってない状態で響かなければ、お客さんが入って響く わけがなく、いずれにせよゲネの時点で響くように声を出さねばならないのです。

このように、本番同然のゲネが2時から、5時半ごろまで続きます。いやいや、5時 半で済めばいいほうかな? 柴田のシアターピースやクリスマスコンサートでのモン テヴェルディのマニフィカトのように、会場全体を使うときにはもっと時間がかかり ます。会場直前までゲネをやってることもあるんです。

更にその後、最終チェックが指揮者、コーアマスターなどからあり、軽く食事をとっ てすぐに着替えて本番といった調子です。

どうです、大変でしょ。でも、これら一連の作業はいい演奏をするためにはどれもは ぶけないのです。ということは、1時過ぎにはウオーミングアップを初めて、演奏会 が終わる9時頃まで、ほとんど100%の力で歌い続けることのできる体力とテクニ ックが必要だということです。その為にも日頃の訓練が大切ということにもなるんで すが。

どうです、この調子で年間数十回の演奏会をし、なおかつ1回の演奏会での曲目は普 通の演奏会の倍近くあるという、恐ろしい合唱団です。ああ、恐ろしい、恐ろしい! !

さすがに私「くまさん」も昨年はちょっと疲れが出ました。さあ、今年はどうなるの しょう・・・・ふふふ、たのしみ、たのしみ・・・・

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          KUMASAN

ところで、今年の現代音楽シリーズはプーランク三昧なんですが、「グローリア」と 「スタバト・マーテル」を同時にするんですって! く、くるってる〜〜!! さら に、アカペラのものも追加するんですって。く、く、くるってる〜〜。
え〜い、どうせなら「人間の顔」も入れません? 
え、、私の方がくるってる?  どうも失礼しました。


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