1999/1/26
<緊張の初オーディション>

(今回の担当:ALT.広瀬あゆみ)

オーディションが終わりました。
私にとっては、初めてのオーディションでした。
もう、緊張しまくりで、喉はカラカラ足はガクガク。
しかし、噂で聞いたとおり、シュッツ合唱団のオーディションは本当に本当に
すばらしい真剣勝負でした。

オーディションの要項などは前回の倉橋先生の合唱団日誌を読んでいただければ
わかると思いますが、要は
「室内合唱団に、入れるか否か」
という大選抜大会なのです。
私は、まだまだ発声も修行中の身で、『合格してやろう』なんて大それたコトは
全く考えていませんでした。なんだったら、私にはまだ早いしオーディションを
受けるのを止めようかな、と思っていたくらいです。
でも、
「みんなの前で、一人で歌う機会なんて、滅多にないよ。勉強にもなるし
 受けた方がいいわよ。」
という優しい倉橋先生のお言葉にふらふらと誘われ、気が付くと申込用紙を
書いておりました。
申込用紙を書き終わった後は、面白いことに、
「・・・もし、合格したらどうしよう。」(←強烈な突っ込み可)
なんて、トンでもないことが頭に浮かぶモノです。

そしたら火曜日の練習にも行けるように、予定を空けておいて・・。
それから、毎月のマンスリーとかコンサートも増えるから、他の日に残業して・・。
そうだ、家族にも、一応了承取らないといけないかな。
えっ、でも、そんなに速いペースで、私、楽譜覚えられないなあ。どうしよう。

↑全く余計な心配です。
約10秒ほど、そんなバカなことを頭に思い浮かべ、
後で思いっきり自己反省してしまいました・・・。

私は課題曲はH−dur。
自由曲は中田喜直さんの「「夏の思い出」でエントリーしました。
もうオーディション1週間前から、頭の中では課題曲がグルグル流れ、
ふとすると仕事中にも、♪夏がくぅれば、おもいだすぅ〜♪、と口ずさんでしまう始 末。
オーディション前日には、仕事仲間に
「いよいよ明日じゃないですか、頑張って下さいね。」
と、言われるくらいでありました。

さて、23日。
私は仕事があったのですが5時に会社を切り上げ、急いで23日の会 場のルーテル天王寺教会に向かいました。
私の順番は24日なのですが、是非、他の人の歌を聴きたかったのです。
そう、オーディションの一番美味しい点と言えば、この、
「普段は合唱でしか聴けない人の、ソロを聴ける」
ということでしょう。
オーディションの順番表を見ながら、
「ああ、この人のも聞きたい、あの人のも、ああ、結局全員のが聴きたい!」
となってしまうんですね。
慌ててルーテル天王寺教会に飛び込むと、その中でも特に聴きたかった
アルトのパートリーダー小柳津さんの順番に間に合いました。
自由曲に中田喜直さんの「くりやの歌」を歌われていましたが、そりゃもう
歌の内容や感情などが、聴いてる方にビンビン伝わってきます。
「うわあ・・・。すごい・・・・。」
本当にすごい。
私も鍛錬を積めば、ああなれるのかなあ・・・・。
鍛練を積んでああなれるんだったら、いくらでも鍛錬積むなあ・・・。
ちょっと遠い目になってしまう私。

自分の順番の前に、そういうすごい演奏の数々を聴いて帰宅すると、
なんかもう、自分の歌を録音したテープを聴くのがイヤになります。
合格するなんて夢のまた夢だけど、せめて「恥ずかしくない」演奏をしたい。
「近所迷惑だから、やめてぇ〜。」
と、ダンナに懇願されるまで練習をしてしまいました。

そして、24日。
家にいても落ち着かないので、またもや他の人の演奏を聴きに、24日の会場の 相愛学園に向かいました。
「キンチョーするー、キンチョーするー。」
うわごとのように言い続け、沢山の人に「大丈夫、頑張れ!」と励ましてもらいまし た。
思えば、10ヶ月前。
入団時に倉橋先生に声をみてもらい、
「おお!まっさらの声だわ。」
と、驚かれた私。
シュッツ合唱団の人たちは大体、前に合唱経験・音楽経験がある人が多いんですけ ど、
私はまったく無かったのです。
高校の選択授業のときも、音楽をとらずに美術を選択していた人間です。
そんなど素人の私だけど、10ヶ月間ビシビシとシュッツ合唱団でしごかれて 少しは上達しているはず・・・。
その上達ぶりだけ、垣間見ていただければもう、もう、それだけで・・・。 よよよよ。
とは、頭では思ってるんですけど、体が緊張するんですよ、これが。
手のひら汗びっしょりです。

そして本番。
本番は無我夢中でした。
課題曲を歌ってるときに、倉橋先生がウンウンと頷いてくれているのが見えました。
自由曲を歌っているときに、小柳津さんが両手を握り締めて「ガンバレ」ポーズを してくれているのが見えました。
ピアノ伴奏をお願いした中橋さんにも、曲の合間に笑いかけてもらいました。
聞いてくれていた団員のみんなの真剣な視線にも助けられました。
もちろん、当間先生も優しい笑顔で見守ってくれました。

ああ。終わった・・・。
演奏はメタメタだったけど、気合だけは十分だったはず!
(家に帰って録音を聞くと、もう声は裏がえってるわ、初見は大嘘つきだわで、
聞きながら胸を押さえて悶絶してしまったんですけど・・・。)

終わった後、意外にも何人かの人に
「良かったよ。」
と声をかけられ、自分でも自分なりによく頑張ったと納得できていたので
とてもすがすがしい気分で帰ることが出来ました。
もちろん、結果は不合格でしたけど、
「来年は何を歌おうかなあ〜。」
なんて、実はちょっと来年が楽しみだったりするのです・・・。


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