1999/2/14
<「城崎蟹ツアー」  >

(今回の担当:SOP.小野容子)

 2月11日、建国記念の日。全国的に寒く、雪のところ多し。
2〜3日前まで随分と暖かくなっていたのに、どうしたことか朝から雨が降り続くので した。
こんな悪天候の中、私達合唱団の新たなるツアーがはじまりました。

「城崎でマリンワールドのお魚に会って、蟹を存分に食べて、温泉にのんびり入って 鋭気を養おう!」ということで25名のメンバーが参加しました。団員の他に今回は大 阪コレギウム・ムジクムマネージャーの阪田さんも一緒です。(この阪田さんが後で お話する「蟹の宴」でなくてはならない人となります。)「目指すは城崎!」25名は 特急「エーデル」、鈍行電車、車とそれぞれ分かれて出発しました。

私は飯沼代表の運転する車で城崎へと向かいました。
雨は降り続きます。小雨ならまだしも、本格的な・・・最悪の雨です。

「なんでふるかなぁ!」私は苦笑しました。
「雨おんな」の実績がまた一つ増えるではないか!

しかし今回は私だけではありません。(^^)「嵐をよぶ」T坂さんと彼女と一緒に なると威力倍増のK崎さん、実は「雪おとこ」のT沼くんと、「晴れおとこ」当間先生 でも太刀打ち出来ないほどの「シュッツ・悪天候」メンバーが集結したのでした。

とは言え、寒いということを除けば、個人的には雨の城崎、雨の日本海と言うのもな かなか良い情景でありました。薄暗く重い雲と鈍い色の海、その中で波だけが白く描 かれる情景はまるで水墨画。子供の頃によく見た日本海は夏の日本海でしたが、海岸 の描く線や地平線は私の記憶を呼び起こし、しばしノスタルジックな気分に浸ってい たのでした・・・

さて、マリンワールドで「アザラシの飛び込みショー」(飛び込む前の姿勢を正した ポーズが美しい!)やトレーニング中のイルカ達(お客がいると俄然がんばる!)を 見学し、城崎の外湯に入った後、いよいよ「蟹」とのご対面です。

宴会場へ行ってみるとテーブルには綺麗に殻を剥かれた蟹の足がお皿に並んでいます 。そしてお皿の中央には甲羅に盛られた「蟹味噌」!!鍋用の蟹と知りつつも蟹の刺 身を未だかつて食べたことのない私はお店の方にこのまま食べてもいいかどうか訊ね ました。食べてもいいけど灰汁が強いので食べ過ぎないようと言われ、さっそく一口!
これがうまい!(筆舌し難いとはまさにこのこと!MaCに向かってキーボードを打つ今、お口の中にあの味覚は蘇るのですが、言葉が出てきません・・・この「うまい!」は今までかつてない「うまい!」を想像してください。^^;)
みんなも生で食べています。こうして「蟹の宴」は始まりました。
それぞれのテーブルで鍋を作り始めました。私のテーブルでは阪田さんが作ります。 後ろのテーブルでは食べるのに必死だったか(?)鍋を噴きこぼしてしまいました。 「あらあら」と思いながら次にやってきた「焼き蟹」に思いをはせ、ひたすら食べま す。かつて一度だけ食べたことのある「焼き蟹」。今日の再会をどれだけ夢見たこと か!たべる、たべる、たべる・・・どこよりも静かなうちのテーブル。たべる、たべ る、たべる・・・と、その時。

「ふきこぼれる!」と阪田さんが鍋の蓋をあけたのでした。まさにふきこぼれる寸前!

今まで我々と同じようにひたすら食べていたのに、何故わかったのだろう?
「寸前でしたね」とか言いながら再び食べるモードに戻った頃、カウンターテナーの 上田さんが家から持ってきたワインを登場させました。最近ワインに凝っている上田 さん、家からワインだけではなく、形の違う大きなグラスを2つ持ってきました。不 思議な事に同じワインでありながら、グラスの形で風味が変わるのです。早速、飲み 比べが始まりました。ちょうどタイミングとしても中休みが必要な頃でした。 ワインを囲んで円陣が出来あがり、また別の一角では究極の贅沢、「蟹味噌ご飯」を はじめています。「う・ま・い!」の声が響きわたりました。うちのテーブルは、と 言うと、
休憩無しでたべる、たべる、たべる・・・
阪田さんはワインコーナーへ参加していました。第3弾目のお鍋の用意をして出かけ ていきました。楽しくおしゃべりしながらワインを味わってる様子・・・っとその時!
いきなり立ち上がったかと思うや、走ってくるではないですか!
「あぶない!!」と再びお鍋の蓋をあける阪田さん。
お鍋の中はまさにそのタイミングだったのです・・・恐るべしっ、阪田さん。(^^;)

さて、お皿よりもがら入れ用のボールに蟹の甲羅が増えてきた頃、お宿の子供と遊ぶ 人、涼みにいく人、お腹を休める人、ワインを堪能する人、そしてまだまだ食べる人 と行動も様々に。そろそろ終宴を迎える頃となったようです。そう、最後を締めくく るのは「雑炊」ですね。
「雑炊」は作り手の個性が出ます。醤油味、塩味、汁気の多いもの、少ないもの、テ ーブルごとに見事に異なりました。ひたすら食べていた我々でしたがこの雑炊作りに は協力しました。残った蟹の身をひたすらほぐす、それが仕事です。阪田さんは山と なった蟹の身とご飯をお鍋いっぱいに張られたお湯の中へ入れていきます。「おいし さの秘訣は味をつけずに素材を生かすこと」と語る阪田さんの雑炊は料亭で出てくる ような上品で薄味のさらさらとした雑炊でした。おいしかったことは言うまでもあり ません。

とうとう3時間近くの「蟹の宴」も終わりを迎えました。私たち日帰り組も楽しかっ た一日の終わりを迎えます。さあ、この蓄えたエネルギーで明日からまたがんばらねば!
新作CDの制作(98年ドイツ演奏旅行のセレクション/4月リリース)、2月27日「懇親会」そして4月11日のハイドン「四季」に向けてパワーアップでのぞみたいと思います。

シュッツ合唱団のパワーの源、「蟹ツアー」の一節でした。


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