2000/5/4
<いよいよ明後日です!!>

(今回の担当:TEN.高澤 聡)

テノールの高澤です。

 今日(もうすでに昨日になりましたが、)5月3日は、和歌山バッハコールの「ヨ ハネ受難曲」を聴いてきました。
 アンサンブル・シュッツや、シュッツ合唱団から出演したソリスト陣も素晴らしか ったのですが、和歌山の合唱団もそれに負けない熱演で、大変感銘を受けました。京 都のアルティでの本番を前にして本当によい刺激を与えてもらいました。

 やはりバッハのヨハネ受難曲はすごい曲です。特に最後のコラールに至る流れは、 とても言葉では説明出来ないものがあります。私はシュッツ合唱団が今までに8回行 ってきたヨハネの演奏のうち、6回に出演させてもらいましたが、未だかつて、一番 最後のコラールを「冷静に」演奏できた試しがないのです。
 ヨハネは技術的にも非常に難しい曲であるため、最初の頃は全曲歌うだけでも「必 死」の状態です。個人的な発声の問題などもあり、最後のコラールは「玉砕」する事 がほとんどでした。特にテノールパートには最後の「Herr Jesu Christ」とイエスに 呼びかけるところに、ソプラノやアルトよりも高いGの音が出てくるのです。実はバ ッハは特に強調したい言葉が出てくると、いつもテノールにこういったことをやらせ ます。モテット「Jesu, meine Freude」の最後のコラールやマタイ受難曲のコラール にも同じようなところがあります。そして当間先生は当然その部分では、テノールに 容赦なくフォルテッシモを要求してきます。
 マンスリーコンサートでの「ヨハネ受難曲の解説」でも最後のコラールを演奏しま したが、やはり全曲を通して演奏した後に訪れる「その」瞬間は特別なものです。そ れは演奏する者、そしてこの大曲を最初から最後まで聴いていただいた会場のみなさ んとの間にだけ存在する、至福の時です。

「そうして、死から私を呼びさまし、
私の目があなたを喜びに溢れてとらえられますように、
おお神の子よ、私の救い主、そして恵みの座とに!
主イエス・キリストよ、私の願いを聞き入れて下さい!
私はあなたを讃えます、永遠に!」

 このメッセージが、決して独りよがりではなく、みなさんの心に届きますように。
ハートは熱く、頭は冷静に。私の心と肉体が、それをかなえられますように。


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