2001/6/7
<今年もやって参りました!現代音楽シリーズ!!>

(今回の担当:SOP.鈴川寿代)

毎年この時期に楽しんで頂いています、現代音楽シリーズ。
今回は、現在ご活躍中の日本人作曲家の作品を集めました。

間宮芳生/合唱のためのコンポジション第5番
         『鳥獣戯画』

藤家渓子/混声合唱、ヴァイオリンとギターのための
         『楽園の泉』

木下牧子/弦楽オーケストラのための
         『シンフォニエッタ』

木下牧子/合唱と管弦楽のための『虚無の未来へ』

難解と思われがちの「現代音楽」ですが、実際体験してみるとイメージが変わること 請け合いです。今までのコレギウムの現代音楽シリーズ終演後には、「おもしろかっ た!」と口々に話しながらお帰りになるお客様がいらっしゃる、とスタッフからよく 聞きます。しかも、今回は日本人作曲家、それも人気の高い方々の濃いプログラムで お届けします。

『鳥獣戯画』は、日本中世の絵巻物「鳥獣戯画絵巻」の曲です。兎、蛙、猿、狐、虎 、犬、鶏、竜などの鳥獣によって、その時代に生きた人間の様子を軽妙自在に描いた 墨絵傑作全四巻の第一巻。それを素材にした映画「鳥獣戯画」(1966年春製作)のた めの音楽として、間宮氏によって作曲されました。その後、氏によって演奏会向けに 改作されています。日本人古来の音(おん)のモチーフに、和楽器のパーカッション (太鼓、桶胴、拍子木、鈴、数珠、等全10種類!)とコントラバスが加わり、独自の 世界を創り出します。お経や手拍子があったり、一方でジャズのリズムが飛び出した り。何せ登場人物が鳥獣ですから、何がでてくるかわかりません。映画はイタリアの 紙面で「日本の古い絵巻を素材とした“オペラ映画”」と紹介されたようですが、オ ペラと称されたことのあるこの曲をどのように生き生きと演奏できますか、演奏する 側としてもとても楽しみな曲です。

『楽園の泉』は、ヴァイオリン、ギター、合唱の競演になります。タイトルの『楽園 の泉』は、SF小説家アーサー・C・クラークの長編小説に由来するそうです。スト ーリーとの関連性はないようですが、作曲者の藤家渓子氏は「多大なインスピレーシ ョンを与えられた」と楽譜冒頭に書いています。各声部がそれぞれ10パートに分けら れおり、今回は1パート1人か2人で演奏します。リズムも音も独特で、とても不思 議な世界!ギターとバイオリンと合唱の絡みが絶妙で面白い、お客様ご自身で聴いて 感じて頂きたい音楽です。

木下牧子氏の作品は、二曲たっぷり楽しんで頂けます。ファンの方には堪らないです よね。一つは、氏の器楽作曲家としての作品、弦楽合奏曲『シンフォニエッタ』です 。一体どんな曲なんでしょうか??残念ながら、私はまだ聴いたことがないので、今 度ライブで聴けるのをとってもとっても楽しみにしてる一人なのです!もう一つの曲 、「虚無の未来へ」はオーケストラ付き合唱曲です。今年の3月31日東京紀尾井ホー ルで開かれた「木下牧子個展2」にてシュッツ室内合唱団が演奏した組曲で、今回< 関西初演>となります。詩人蔵原伸二郎の宇宙的な詩に、牧子さんの曲。「個展2」 では、出来立てほやほやの曲だったのですが、その後3ヶ月寝かせて熟成された演奏 を今回の現代音楽シリーズで、是非お聴き下さい。

そして・・・おまけ情報です。
アンコールで木下牧子作曲『鴎』のオーケストラ版を演奏します。
アカペラの曲だったのですが、オーケストラ版はこれまたすごくかっこいい仕上がりになってます!

6月、といえば梅雨。
でも、そんなじめじめした気分を吹き飛ばしてくれるような演奏会になりそうです。

どの曲もライブでなかなか聴くことのできない曲ばかりです。この機会に是非お越し になって、体感してみて下さい!
皆様のご来場を、心よりお待ち致しております。


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