2002/10/21
<今年の東京定期公演はっ・・・!!>

(今回の担当:Sop. 小野容子)

秋まっただ中!演奏会シーズンまっただ中!!の今日この頃、お待たせしました。関東方面の皆様には恒例の<東京定期公演>が今年も近付いて参りました。

今年の東京公演、一番のトピックスは会場が第一生命ホールに変わった事でしょうか。今まで長い間慣れ親しんできたカザルスホールを離れるのは残念ではありますが、ひとまわり大きな第一生命ホールを使用することでより多くのお客様にご来場頂き、演奏をお聴き頂きたいと思っております。

9月の終わりにほぼ一年ぶりに第一生命ホールへ参りました。舞台に立ってホールの響きを聴いてみると一年前よりも響きがマイルドに深くなっているように聞こえます。「あれ・・・?前と響き変わってる?」と思っているとホールのスタッフが「オープン当初から響きが変わってきてるんですよ」とこちらの考えていたことをまるで知っているかのようにに教えてくれました。

  さて、この響きの中でどんな演奏になるのでしょうか?
  今から本当に楽しみです。

今回は西洋と東洋の対峙と融合をテーマにC.モンテベルディの大作「聖母マリアの夕べの祈り」とA.ペルト「祈る二人」(女声無伴奏合唱)、千原英喜氏「阿知女作法」(混声無伴奏合唱) を演奏します。
バロック音楽と現代音楽、ヨーロッパの響きと東洋の響き、それぞれの多様な世界、そして人間の声の魅力、響きの魅力を最大限に表現できればと思っております。

数ある宗教曲の中でも最高傑作の一つに数えられる「聖母マリアの夕べの祈り」(今回は通奏低音付版での演奏)。
ルネサンスからバロックへの扉を開いたモンテヴェルディのこの<晩課>には聖母マリアを讃え、加護を求める深い敬虔な祈りの世界が広がっています。華やかな歌唱法を駆使したこの大曲は時代を超え、文化の違いを超えて、現代を生きる我々の心に<人として共通の祈り>を届けてくれます。

そして私共のレパートリーの一つとなっておりますA.ペルトの世界。
彼の音楽は遠い彼方の中世から響いてくる趣をもっています。<孤高の祈りの響き>このペルトの音の世界をおとどけすることが出来れば幸いです。今回の「祈る二人」(無伴奏女声合唱)では各声部が精緻に絡み合いながら、おごり高ぶるファリサイ人、義人とする徴税人のイエスの喩え話が綴られます。

そして日本や東洋世界の民俗(族)性や宗教性を主なるテーマに創作活動を行われている千原英喜氏の、神道に用いられる「祓詞」をテキストに用いた「阿知女作法」。曲中「シーッ」「オー」など日本古来より行われてきた『警蹕』という清めの声がイメージされた発声や平安時代の物語文学から鎮魂祭を読んだ和歌が用いられています。最も根元的な楽器である<声>が持つそのものの壮大で神秘な力をホールいっぱいに満たしたいと思っています。

  大阪でも6月にいずみホールでこの「阿知女作法」を演奏しましたが、
  凄すぎる世界でした。(ここだけの話ですが、何やら演出やら衣装やら
  今回も凄い事になりそうです。どうぞお楽しみに。^^;)

さてさて、今回の演奏会、開演が14:00のお昼の公演です。
お帰りの際にはホールが入っている晴海トリトンスクェア(NHKで放映されていたドラマ「ロッカーの花子さん」はここで収録されたとのこと。)にて、軽くお茶やお食事をしながら冷めやらぬ興奮を語り合って頂くのは如何でしょうか?たくさんおしゃれなお店がこのスクェアには入っていますのでお楽しみ頂ける事と思います。私も下見の時にこの中にある焼鳥屋さんでおもしろい経験をしました。
(是非ともお訪ねの際には「ふぉあぷりん」をご賞味してみてください。)

関東の方はもちろんの事、この機会に東北方面の皆様も信州方面の皆様もそして関西の皆様も3連休をご利用頂きご来場頂ければ幸いです。3つの異なる作品がその個性を放ちつつホールで一つに解け合う2時間30分の時間を共有できますよう、ご来場を心よりお待ち致しております。

第9回東京定期公演
日時:2002年11月4日(月祝)13:30/開場 14:00/開演
会場:第一生命ホール(地下鉄大江戸線「勝ちどき」駅下車徒歩約8分)
料金:S席/5000円 A席/4000円 学生/2000円


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