Habe deine Lust an dem Herren SWV 311

SopranoI,II, basso continuo
ソプラノ二重唱と通奏低音

小宗教コンチェルト集 第2巻

作品9-6〔新全集10(1)〕

Habe deine Lust an dem Herren, 主を喜びとしなさい
der wird dir geben, was dein Herz wuenschet. 主はあなたに与えてくださるでしょう、あなたの心の願いを。
befiehl dem Herren deine Wege あなたの道を主にゆだね、
und hoffe auf ihn, 主に頼りなさい。
er wird's wohl machen. 主は行ってくださるのです。
Erzuene dich nicht ueber die Boesen, 悪をなる者にいきり立たず
sei nicht neidisch ueber die Uebeltaeter, 不正を行う者らをねたまないで
denn wie das Gras werden sie bald abgehauen 彼らは草のようにやがて枯れしなび、
und wie das gruene Kraut weden sie verwelken. 緑草のようにしおれるのだから。
Hoffe auf den Herrn und tue Guts, 主に頼って善を行いなさい。
bleb im Lande und naehre dich redlich. 地に住んであなたの誠実を養いなさい。
Habe deine Lst an dem Herren, 主を喜びとしなさい
der wird dir geben, was dein Herz wuenschet, 主はあなたに与えてくださるでしょう、あなたの心の願いを。
befiehl dem Herren deine Wege あなたの道を主にゆだね、
und hoffe auf ihn, 主に頼りなさい。
er wird's wohl machen, 主は行ってくださるのです。
Alleluja. アレルヤ
(Psalm 37, 4.5.1.2.3.4-5) (当間訳:詩編 37. 4-5.1.2.3.4-5)

【解説】当間

このテキストとなった詩編、アルファベット順に配列されています。その配列を入れ替えてシュッツは用いました。(シュッツがそのアルファベット配列を意識したかどうかは解りません)
しかしそのことによって、一層「主を喜びとしなさい」と呼びかけで曲を開始するシュッツの意図、確信の信仰が読みとれます。
悪人を打ち倒し、正しい人に報いる主への信頼と忍耐を教える知恵文学的要素をもった詩編。
テキストの中に出てくる「地」は神が与えてくださる恵みの地、神の民とともに住む「約束の地」の意味です。

【演奏】

「クライネ・ガイストリヒェ・コンツェルテ」の中でも特筆すべき美しい二重唱です。
深く敬虔な祈りの中にも確信に満ちた歌が奏でられ、両声の交叉、からみも密で色濃い表現が成されてます。
最後の部分で歌われる「アレルヤ」は小節数も長く、間に挟まれた三拍子のヘミオラのリズムも併せ、その旋律線はシュッツの「歌心」を充分に発揮したものといえるでしょう。