No.540 '04/1/31

「コーロ羽衣」新年会


少し遅めの新年会でした。
女声合唱なのですが母体は「PTAコーラス」からでした。
殆どが全く譜面の読めないお母さんや、コーラスはゼロから始めるという方々を対象に始めたものでした。
引き受けるには責任も感じましたが、<真っ白なお母さん方>が音楽を好きになってくれないようだったら音楽家など諦めようとの覚悟で引き受けたのでした。
「ドレミファ」の読み方から始めました。
ハモることなどとんでもないという状態でしたね。
この方々の生活の中に音楽が入り込まなければ「真の音楽」など普及するわけがないという思いです。

今から思えばその情熱は燃えさかっていましたね。
<純粋培養>でした。華やかな活動への参加は見合わせていました。よく続けられたものだと思います。
それも<真っ白のお母さん>だったから出来たことかもしれません。
ひたすら<地道に音楽を築く>これが私の計画でした。

それが今では22年目となり、立派な「合唱団の顔」を示しています。
偉そうにもならず、ひたむきに音の世界と向き合い、さらっとハモらせてみせる、そんな合唱団になりました。
家族やご近所の声援を受けながら、地域にも根ざした活動となっていると思います。
私の思いは達成されたと、ちょっと胸を張って今言うことができます。
もちろん、これまでの道のりが平坦だったわけではありません。山や谷の時もありました。しかしそれも人と人とが集まれば当たり前の事。
人によってはもっともっと大変な出来事に揉まれての活動の継続だったのではないかと想像するのです。

もう、彼女たちは確かな市民としての「音楽仲間」です。
そういう話を今日、皆の前でしました。
新年会の様子です。

生まれたものはいつかこの世から消えていく。
これは致し方ないことでしょう。
合唱団もずっと続けられるというものではありません。いや、続けてはいけないのかもしれないのです。
人の人生と同じように土に帰っていく、天に帰っていくことがそのもののため、必然かもしれないのですね。

私は誇りをもって言えます。
それは、この合唱団が歩んできた「歴史」はただの時間の流れなんぞとは違うんだと。
合唱団の血となり体となる過程を、身を持って体験することの出来た<実>の「歴史」なんだと。
その「歴史」の、未来への最先端である今日の新年会。
その確かな歩みに、高らかに、盛大に、そして大きく、・・・・・・・・・・・・・「乾杯!!!」だったんです。

No.540 '04/1/31「「コーロ羽衣」新年会」終わり