No.556 '04/7/22

フェルメール「画家のアトリエ」


神戸市立博物館へ行ってきました。

「栄光のオランダ・フランドル絵画展」で、展示されているフェルメール「画家のアトリエ」を見たいと思ってのことです。
猛暑が続いています。
行くとすれば午前中か夕方ですね。
夜に練習が入っていますから、夕方に行くことにしました。
閉館は5時、一時間半前ぐらいに入ればと計画を立ててでかけました。

日差しが強く、温度も40度近くあったのではないでしょうか。
余談ですが、発表される温度は一体どのへんで測っているのでしょうね。
35度と発表されても、体感としてはもっと高く感じられます。
部分的には40度や50度近くまで上がっているのではないでしょうか。
当日宅配便で届いた新しいキャップをかぶり、うだる暑さの中、神戸へ出かけました。

阪急「三宮」の駅前は賑わっていました。
活気があるというか、街がうごめいていますね。
ちらっと気になる店が眼に飛び込んできました。帰りは寄ることに決め、閉館時間を気にしながら博物館へ。

フェルメールの絵、実はあまり好きではなかったのですね私。
以前話題となった「真珠の耳飾りの女」、別名「青いターバンの女」も見ましたが、その美しさ、ハッとさせる印象強さには感心させられたのですが、今ひとつ迫ってくるものがなく、当時の館内の警備や誘導する係員などの不満と併せて印象が悪かったのですね。
神戸市立博物館には幾度も足を運び、ここの雰囲気の良さ、接客の心地良さにいつも安心していたものですから、じっくり絵を見ることができるのではないかと期待して出かけました。
今回も会場は良かったですね。
絵の数も私には適当な量でした。

バロック絵画を見ながら、改めてその芸術の激しさ、また多様性を考えさせられたのは良かったです。
暗い背景のなかで白く浮き彫りにされるモティーフ。
遠近法による大胆な構図。
カンバスをはみ出るかのような激しい、うねりある動き。
一転して、静寂の世界。
色鮮やかに美しく描かれた静物画。(これにはため息が出ます)
音楽にも通じる官能の世界が繰り広げられています。
(サルや猫が描かれた風刺画でしょうか?これには思わず笑ってしまいました)

そして今回の展覧会のメイン、フェルメールの「画家のアトリエ(絵画芸術)」が最後の部屋に展示されています。
この「絵」気に入りました。
というか、これを見てフェルメールが好きになったかもしれません。
一度の印象や、ある部分的なものだけで判断してはいけなかったですね。(まぁ、気になっていたからこそ、まだ判断してはいけないと思っていたからこそ、今回訪れたのですが)
何故好きななったのかはちょっと詳しくは書けないのですが、一言で言うならば彼自身の「気骨」「確信」にでしょうか。

この暑さの中、少し滅入っている私の心に、新鮮な活気を呼び起こすそよ風を与えてくれました。

二時間ほど立ち詰め。しかし足取りも軽く帰路へ。
先に目を付けていたお店にも立ち寄り、買い物。
ここの店員の接客も良かったですね。
私の気に入った色がなかったのですが、その応対に満足。
久しぶりの神戸。
心地よい神戸でした。



No.556 '04/7/22「フェルメール「画家のアトリエ」」終わり