No.599 '05/09/15
練習の前、よく私のつぶやきを団員に聞いてもらうことがあります。 昨日の話も多岐にわたったのですが、その中で、「われわれの演奏はCDでは伝わらないことが多いよね」と口走ったところから今日の題材が生まれました。 「CDで聞くと実際聴いたときの印象と随分違うことに驚きました」といった内容のご意見をこれまでに沢山頂いてきました。 やはり、演奏会に来て頂きたいです。 いよいよ秋から冬への演奏会シーズン到来です。 No.599 '05/09/15「CD録音では拾えきれないライブ音響」終わり
つぶやきといってもホント取るに足りない雑談の類から、世評や、芸術論、人生についての話まで様々です。
練習を始める<まくら>、私自身への意気高揚の流れでもあるのですが、これが結構長く続くときがあるのですね。(笑)
団員は早く声を出したい、練習したいのですが、ちょっと待ってもらって(笑)講話状態です。(笑)
もちろん、競馬場でのゲートインような緊張感溢れる練習スタートもあるのですが(本番直前の練習がそうですね)、普段は「これも練習のうち!」と頼んで(笑)聞いて頂いています。
これはライブへのこだわりを持つわれわれの核心の話でもあります。
実はわれわれもこのことに気づいてはいるのですが結論として、「作品を知って頂く」「活動を知って頂く」「われわれの演奏記録として残していく」「CDをきっかけにして演奏会にお越し頂く」ということの目的で、少し戸惑いを残しながらも続けています。
では具体的に何がどう違うのか?
「大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団」の周波数、および音圧変化をマイクロフォンで忠実に捉えるのは困難です。
(専門家ではありませんので断定はしかねるのですが、今までの経験でそう感じます)
実際とは異なる空気振動、電気信号に変えられた少し狭い範囲で捉えられた音響をCDで聴いていることになります。
遠近法的音響がCDでは狭められている感があります。
声の伸び、広がりを目指す合唱団の重要な要素が「遠近法」的手法です。
体全体で感じる音響がそこにあります。しかしこれもライブとCDで少し違っています。
当然ながらCDでは歌う者の姿が見られません。
できれば表情も音楽の一部として見て頂ければ、声がより身近なものとなって届くのではないかと思います。
音楽をコミュニケーションの一つとして捉える私にとってこの事柄は重要です。
演奏者と聴衆の方一人一人、そして聴衆と聴衆の方々一人一人、その刻々と変化していく感情の流れが大切と考えます。しかしその流れを捉えることはCDでは困難です。
ライブを聴いた方から「この一体感、リアルな感覚は何なのだ!」といった感想をよく聞きます。
これはきっと会場全体のそういった相乗作用による臨場感にあるのではないかと思っています。
私たちのライブでの真の響きを体感して頂きたいですね。
CDも良いのですが(笑)、それ以上に何かを感じて頂けるものと思います。
「ライブ」の楽しみをお伝えできるよう、団員ともども頑張るつもりです。