No.645 '07/11/13

「京都モンテヴェルディ合唱団」躍進の演奏会でした


先日、ホームページのトップページでご紹介した「京都モンテヴェルディ合唱団」第39回定期演奏会が終わりました。

「珍しいですね」「他団の演奏会を紹介するのってそんなに無いですね」と、皆に驚かれていました。
そうかもしれません。言われて気がついてのですがこの団のこと最近少しばかり心配していたのですね。
練習などは結構上手くいっていることが多いのですが、それが本番になると崩れるというか、何が出て来るか判らないといった不安な気持ちに陥ることしばしばだったのです。
今回も練習は納得。団の雰囲気も良く、今度ばかりは納得いく出来になるだろうと思ってはいたのですが・・・・・・(笑)
そんな経緯の中、本番を前にして最後の仕上げである合宿の奥琵琶湖。

ここはもう定宿になっている所。直ぐ近くの琵琶湖畔へ行くのが楽しみで今回も浜に出てみました。
すると今回は「とんび」(だと思うのですが?)に魅了されました。

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空を飛べるって羨ましいです。
この時は湖から吹く風に、身を任せるかのようにゆったりと大きく羽を伸ばして旋回しながら上がっていきました。
どんな風に地上が見えるのか?どんな風が吹いているのか。地上と湖を自由に飛翔できるなんて想像するだけでワクワクしてきます。
しばらくその勇姿に魅入ってしまいました。
別のシーンでは二羽が戯れています。(と映ったのですが、ほんとうは違うのでしょうか?)

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見終わって宿に帰る途中、美しい木立があると聞き行ってみることにしました。
綺麗に色づいています。

紅葉が遅い今年です。夏からいきなり冬へと向かっているようです。
秋が無い!
そう思っていたところにこの木立。
フ〜と溜息ですね。

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前口上が長いですね。(笑)
でも、そんな風に景色を見ることができた、気持の良い合宿だったと言いたかったのですね。
以前の演奏会とは違った何かを感じたのです。

その流れで本番前日のホールリハに入りました。
今回の「呉竹文化センター」を初めて訪れる私。
プログラムにビクトリア「レクイエム」(演奏に45分を要する大曲、それもア・カペラです)や柴田南雄のシアターピース「追分節考」を演奏することにしましたからホールの善し悪しは致命的な要素です。
結果から言えば理想とはいかないまでも先ずは満足できる響きでした。

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男声充実の団にいつの間にかなっていました。(笑)
メンバーの数も多いですし、響きもだんだんと整ってきています。(しかし、今回でも露見してしまったのですが、一部に〔結構重要なところでの露見ではありましたが〕まだまだ発声に問題有りですね(笑)時間を取ってレッスンしなければとしきりに私、反省です。)
女声陣のメンバーは男声に比べれば少ないのですが響きとしては安定しています。

団の大きな特徴としては団員に「大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団」と兼ねている者がかなりいるということでしょうか。
これは団創立から発展過程のある事情によるものなのですが、この混合が上手くいくかどうかが演奏の結果に大きく作用してきました。
「大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団」が忙しくなると、京都のメンバーだけの練習が寂しいものになります。(人数だけではなく、意気も沈みがちになります)
昔は(昔はと強調しておきましょう)それに対して不和な雰囲気もありました。
だからといって、もしあの時、兼任している者が抜けてしまっていれば団としての活動が維持できるわけもなく、今から思えばあの頃は随分と暗い摸索、ガンバリの時代でした。(笑)
それから紆余曲折があり、今では見事な連係プレイ、チームワーク振りです。
団として資質を問えるほどの「一つの団」になりました。

男声たちは「京都メンバー」が多いです。
女声は「兼任メンバー」が多い。
時間的な制約、技術的な問題、ステージ人としての自覚など、さまざまな要因をどう克服していくか。難しくもありまた楽しくもある課題です。
先にも書きましたが、男声たちの充実度は私を大満足にしてくれています。
雰囲気も良いですね。
女声にもう少し「京都メンバー」が増えれば随分と「色」も変わってくるでしょうが、増えたからといって果たして音楽的な充実度が増すかどうか?(笑)
でも一緒に合唱を楽しんでくれる京都在住の女性の参加をこの際、このページでも募集しておきましょうか。(笑)

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上の写真は当日のリハのもの。この時はまだまだの演奏。しかし・・・・・。

本番、第一ステージのマドリガルでビックリすることが起こりました。
本番まで色々と試しながら曲を作り上げていたのですが、この時合唱団の集中度が最高度に張り詰め、音楽的なノリ、流れがスムーズに活き活きと波打ったのです。
今まではどこか客観的で、待ちの姿勢。頭での処理が勝っていた(もう少し辛辣なことを言えば、体に染みこますほどには至っていなかった)合唱団だったと思うのですが、この時音楽する心がスッと前に出て来る演奏になったのですね。
まぁ、私の指揮も「これにかけた」覚悟の指揮だったかもしれないのですが、合唱団の「息」が自ら動いたものであったからこそ両者で作り上げる演奏になったのだと思います。

後の演奏はその合唱団との競演です。
ア・カペラ「レクイエム」も充足の演奏。そしてピアニストの木下亜子の見事なフォローも手伝って初めて取り上げた野平一郎「日本のうた」も決まり、最後のステージ「追分節考」は独り立ちの魅力を十分に発揮した充実の演奏となりました。

尺八(客演)の岡田道明氏(スミマセン。写真がぶれてしまっています)とは初顔合わせ。
やはりこの曲、尺八が入ってこその演奏ですね。
これからも沢山競演ができればと願っています。
日本の現代曲を代表する一つでもある「追分節考」です。
沢山の人々、沢山の国々に向かって演奏したいものです。

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演奏会後の打ち上げでの写真です。

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となりに座っているのは「京都モンテヴェルディ合唱団」コーアマスターの山川美弥子です。
この席上、私が彼女を褒めました。(久しぶりに褒めたかもしれません(笑))
彼女の本番での集中力、出来栄えは確かなもの。そしてそれは合唱団全体への波及となって今夜の充実した演奏会へと導きました。

泣いている彼女。

ちょっと歴史に残る演奏会となりました。(本番のステージも、そして打ち上げも)



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