八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.118


【掲載:2018/02/08(木曜日)】

やいま千思万想(第118回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

今年も終わった新しいメンバー選出オーディション

 大阪にも粋でオシャレで、静かな喫茶店が多くできるようになりました。
そこにはランチなどもあり、私のように少し食事制限をしなければならない者にとっても、量といい、その美味しさといい、満足度の高い食べ物がトレーに乗って出てきます。
BGM(店のバックに流れている音楽)があっても適切に流れていて気になりません。
そんなお店に入るとホットして、食後の飲物、ケーキへとつい進んでしまいます。
以前はそうでないお店に入ると、何故か落ち着かない要素を感じて直ぐに出て行きたくなったものです。
数日前、恒例のオーディションへと向かう昼食時。
以前メンバーに連れていってもらったことのあるお店なのですが、ちょっと落ち着いた雰囲気、おしゃれなレイアウトの中で静かな時間を過ごすことができました。
良い時間が流れていたことを快く思い出します。

 私が主宰する「大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団」は一年ごとに、そのメンバーを選ぶためのオーディション(テスト)を行っています。
演奏のレベルを落とさないためとの目的もありますが、新人発掘や、新しい音楽世界へと拡がる、そのことが狙いです。
「新しい音楽世界」とは、合唱団のより良い響きづくり、そして演奏全体の更なるレベル向上、選曲の更新、練習時における怠惰化防止、などがありますが、一年を通して気持ち良い練習と演奏ができるようにとの自浄作用的行事と言って良いかと思います。
全員が入れ替えになることはありません。
伝統を守るためにも継続してほしいメンバーがいます。
ただ、その人たちにとっても刺激となればとの思いもあり、新人を入れようとの計らいです。

 「忙しさ」に至っては全国的にみても屈指の合唱団です、「怠惰(たいだ)」という言葉は当たりませんが、そうならないための工夫はあるべきだと考えています。
新しい血を注ぐと言いますか、新しい空気を取り込み、一刻一刻を楽しむ、充実度の高い活き活きとした時間を過ごしたいとの意図です。
どのような職種でも同じであると想像するのですが、同じことの繰り返しだけでは発展も向上も望めません。
「同じことの繰り返し」に見えて、実は細かなところで変化している(させている)。
そのような取り組み方こそが「伝統」の継続と共に「発展」へと繋がる、進められるのだと私は信じます。
メンバーと一緒にそのような活動をしていく集まりでありたいと強く願います。

 このコラムを読んで頂いている頃には、既に「新・室内合唱団」が誕生していて、新しい響き作り、音楽作りが始められていることでしょう。
2018年はそのメンバーと共に活動を進めていきます。
この一年間を見渡せるスケジュール表はもう隙間が無いほどに書き込まれています。
今年も忙しい活動になりそうです。
演奏会にお越し願うことのできない方々には私たちが紡いでいる音楽が届けられますよう、CD制作も進められています。
石垣島にもお届けしたいですね。





戻る戻る ホームホーム 次へ次へ