八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.123


【掲載:2018/04/19(木曜日)】

やいま千思万想(第123回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

「酒」は健康に良いのか、それとも良くないのか?

 今回は「酒」の話。若い頃からよく飲みました。
友達二人でウイスキーを飲み、その後店を替えて一升瓶を空けるという飲み方。
それを週に一度、いや二日、三日と続くこともありましたから今から考えると無謀なことをしていた「酒豪」者です。
どうして酒を飲むのでしょうね。人が飲んでいるからとか、勧められて飲み始めた、といったことだと思うのですが、いつしか酒の味の好みもうまれて自ら進んで飲み続けていたのでしょう。
酒を酌み交わす友ですから互いに「酒って飲み過ぎは行けないよね」なんていうはずがありません。周りからも「好きなんだからしかたないね」と呆れられて止める人もいない。

 最近、お酒の量が減りました。激減したといっていいでしょう。「オレは家系として酒は飲める、飲んでも大丈夫なんだ」と高を括(くく)っていた頃がウソのよう。
「当間さんはお酒が好きで、飲まないと一日が終わらないのでしょう?」と思われ、自身も飲まないと寂しいのだと思い込んでいましたね。
それが去年でしたか、生まれて初めて2週間の入院を経験する中、一度たりとも〈酒が飲みたい〉とは思わなかったのですね。
それで遅ればせながら知りました。「私って酒を別に必要としないのだ」ということを。

 ちょっとここでお酒についてのウンチクを。
「酒」とは、エタノール(アルコールの一種)が含まれた飲料の総称で、飲むと酩酊(めいてい)、つまり酔っ払うもの。
製造方法は大きく〔醸造酒〕(原料をそのまま、もしくは糖化させたものを発酵させた酒)・〔蒸留酒〕(醸造酒を蒸留し、アルコール分を高めた酒)・〔混成酒〕(酒〈蒸留酒が主に使われる〉に他の原料の香り・味をつけ、糖分や色素を加えて造った酒)とに分かれる。
歴史をみれば、紀元前7000年ごろの中国の遺跡で醸造酒の成分が検出されたのが最古の酒で、琉球時代には若い女性が口の中で噛み砕いた木の実を唾液とともに吐き出し、それを醗酵させた口噛み酒なるものを中国の使節へ供したという記録がある。

 酒は古くから向精神薬として用いられ、また「百薬の長」とも言われてストレス解消、コミュニケーションの円滑化、疲労回復に効果があるとされ飲用されてきました。
しかしです。ここに来て、どうも「酒」は分が悪くなる傾向にあるらしいです。
最新のイギリス研究チームの発表では飲酒する60万人を対象に調べた結果、1日にわずか1杯でも飲酒をすると、寿命が縮まる可能性があるというのです。
これまでの軽い飲酒は健康に良いという説に専門家が異議を唱えた怖いかたちでの報告です。
しかし酒は嗜好品。タバコと同じ。好きな人は沢山います。
2018年4月15日、沖縄セルラーパーク那覇で泡盛全46酒造所が集結して島酒フェスタが開催されたと新聞の報道。
そこには約5300人の泡盛ファンが訪れて味わいを楽しんだ、とあります。
さてさて、「酒」論議は面白き話題。良くない、いいや良い、という話を居酒屋で交わす様。尽きませんね。





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