八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.23


【掲載:2014/02/02】

音楽旅歩き 第23回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

[「賢い」とは、学力と体力のバランス行動]

 「賢いね!」とは褒め言葉ですね。
でも最近「賢い」を考えてしまいます。
賢いってどういうことを言うのでしょう。
算数、数学ができること?あるいは国語が満点に近い点数が取れること?計算が正しくて速くできる。
文字を沢山覚え、文章が読めて理解力が高い。
そういうことを言うのでしょうか。
では理科では?そして音楽では?まあ色々考えさせられることが多いです。
 私の周りではひねくれ者が多いのでしょうか、「賢い」はあまり良い意味で言われません。
確かにそう言われる人はそれなりの特徴を見せている人ですね。
頭の回転が速い、仕事の能率が良い、受け答えもしっかりできて人当たりも良いということですね。
しかし、ひねくれ者としては遅くて何が良くないの?となり、能率が悪いのってそんなに良くないこと?となって、人当たりについては「狡猾(こうかつ)」なんじゃないの?となるわけです。
まあ、そこまで思うのはちょっと、と思いますが、それはそれで経験からでてきた印象なのかもしれません。

 さて今回このような切り出し方をしたのは、2013年度の全国の学力調査、そして体力調査の結果が出たからです。
その調査は小中学校の最高学年(小6と中3を対象。そして国語と算数《数学》)という限られたものなのですが、その結果がちょっと面白かったので今回はこれをテーマにしました。
学力は優れていても体力がないのは良くないと思う私ですから、文武両道に秀でているということを念頭に置いて話を進めますね。

 全国で学力、体力とも最も勝っていた県、すなはち文武両道に優れていたのはどこだとお思いですか?答えは秋田県(学力1位・体力2位)と福井県(学力2位・体力1位)でした。
ちなみに全国的に上位を占めていたのはこの二県の他に、富山県、石川県と続きます。
日本海側の県が独占です。
羨ましい限りです。では逆に低かったのは?何と私の住む大阪、そして沖縄も低い。ちょっと残念なのですが、そこでまてよ!ということになりますね。

 様々な経歴、職業につかれた年長の方々や同世代の人々、また若い人たちと接する機会の多い私の経験から言わせて頂ければそんなことほぼ関係ないのではないかと思うことが多々あるのですね。
確かに学力や体力が備わっていることは秀でている条件の一つなのですが、その内容によっては良くないことに繋がっていることも多いのです。
できればじっくりと勉強や体力作りが出来るような環境があり、その上で本当の賢さである(と私は思うのですが)頭の柔軟性や機転、応用力に通じる見聞の広さを身に付けて欲しいと思うわけです。
 人を敬い、認め受け入れる協調性、知識欲も旺盛、そして活力に溢れて前進していける人って「賢い」と私は思うのですね。
人の評価の言葉はいろいろあって良いのですが、特化された能力(速さ、記憶力、筋力等)はあくまでも一つの能力。
それらを統合し、バランス良く行動に表せる人こそ「賢い」!そう呼びたいです。





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