八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.96


【掲載:2017/04/23(日)】

音楽旅歩き 第96回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【体のメンテナンス 自重の日々が続きます】

 人生、山有り、谷有りの道程ですね。平坦な道を歩いての期間はそうは続かなかったと思い返します。
振り返ります。私のように若くして自分で演奏会を企画し、運営し、毎月定例の演奏会を催す。
演奏技術の向上は当然のこととして、出演者交渉、演奏会場の確保、チラシ作りや宣伝など人を介しての遣り取りなどなかなか骨の折れる毎日の仕事でした。
この演奏活動、先ずは大阪にこだわり、大阪での基盤作りだと思って始めたのですが、演奏する曲が西洋音楽のバロック期や古典派の音楽ですから、おのずと欧米諸国の方に目が向きます。
 勢い、ドイツまで出掛けて演奏会をするという活動に広がっていったのは自然の流れだったと思われるのですが、現在と違って、当時の海外での演奏はそう簡単にはできる状況ではありませんでした。
演奏旅行に伴う色々な条件が整っていったのは今振り返っても希有な、幸運であったというか、「奇跡」とも思える、「人」と、「チャンス」の出会いだったと思います。

 現在では、大阪を基盤として日本の各地で演奏する団体となりましたが、その展開のきっかけを作ったのはそれぞれの演奏の評価と、我々を支えて毎月の演奏会に足を運んで頂いている熱心な聴衆(会員制による運営)の方々です。
 これまでにCDも多く出しました。出版物も発行しています。
演奏曲目は西洋音楽の古典から現代曲に至る膨大なレパートリーを持つに至っています。
作曲家や多くの演奏者の協力が無くては為し得なかったことばかりです。

 少し人生を振り返る文章になってしまいましたが、ここに来て「休息を」との指令が私の体から発せられているようで、これまでの過程を思い返す時間をもらいました。
以前にもこのコラムに書いて報告しましたが、昨年の12月12日に「不安定狭心症」でカテーテル治療。
医者からは1ヶ月は入院しては、との話だったのですが、その後に予定されていたスケジュールの変更は難しく、入院は四日間で済ませ、無謀にもその後も大きな演奏会を立て続けにやってのけるという始末。それが3月いっぱいまで続きます。
 その後はゆったりと静養をと目論んでいたのですが、4月になって「穿孔(せんこう)性虫垂炎」で急遽手術&入院(二週間)。
12月の時も、そして今回のいわゆる「盲腸炎」も一切痛みが無かったのが特徴です。
痛みが出る前に発見そして治療というものでした。
このコラムも一回お休みを頂くことになったのはそういった事情によるものです。
「筋肉は立派ですね」と、以前行ったカイロプラクティックや今回の病院でも言われましたが、どうも体全体が節目で、メンテナンスの時期に入ったようです。
とはいえ、この後も予定はギッシリ。
2月に収録した「讃美歌集」のCD化が進められています。
また今月の末からはイタリアでの音楽祭に出演のため出掛ける予定。
この際です、徹底的な療養をと思っています。自重の日々がもう少し必要かもしれないですね。





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