'97/2/26

初記者会見


初めての記者会見を経験しました。
サントリー音楽財団による演奏会で、昨年亡くなられた柴田先生の作品を初期から最後の作品までを集めて開かれる演奏会のための記者会見です。演奏会は3月21日(金)いずみホールです。
出席者は演奏者側(私も入っています)が4人、主催者側から4人(だったと思います)です。
そして、柴田夫人と佐野光司さんがゲストで出席され、報道関係者(新聞記者)、それにマネージメント関係者が数人といった構成でした。

テレビでよく見ますよね。記者会見を。
席に座らされている芸能人に向かって、リポーターが矢継ぎ早に質問をしたりしているあの会見です。
あるいは、汚職などの容疑で質問に汗だくで答えている代議士の会見です。
まさか、そんな会見の風景は想像しませんでしたが、どこかワクワクして出掛けました。(ちょっと軽いですね)

主催者側からの趣旨説明、その後出演者のスピーチ(私も喋りました)があったりというおきまりのコースの後、食事を挟んで歓談というのがその流れだったと思います。
何か盛り上がらないんですよね。
あの矢継ぎ早に責めたてているリポーターの厚かましさや騒々しさに閉口しながらも あの活気はいいなあ・・・・とどこかで思っているからでしょうか。
活発な質問にかっこよく答える。
そんなのどこにも無かったです。(やりたかったのになあ・・・・・)
まあ、クラシックですし、その上余り演奏されることのない現代曲、そのまた上にですよ、合唱を主としたシアタピースなるものを演目に加えたのですね。
そりゃ、質問にも困りますよね。
内容に迫った質問がないんですよ。質問に答えるほうが楽なんです。しかし、なかったんです。
ちょっとこれは、と思って夫人の純子さんに振って曲の解説をしてもらいました。もしそのまま説明なく終わってしまっていたなら・・・・・・。(ホッとしました)
佐野光司さんはさすがでしたね。
学者らしく、柴田先生の作品を淡々と、そして説得力ある話でまとめて頂いたことでした。

ちょっと拍子抜けした記者会見でした。(私の思い込みのせいですね)
「無限曠野」がどんなに素晴らしい作品か!
これって、説明できませんよね。
説明するより、やっぱり演奏するしかないんです。音楽家は。
でも、説明しないと聴きたいという興味は湧かないんですよね。一般のお客さんには。
これ、何年も経験していること。これが繰り返されているのですね。

松本勝男さんが最後にまとめた言葉、これが最高!でした。
(言葉どおりではありませんが)「柴田南雄の<無限曠野>、それを演奏するシュッツ合唱団の演奏は素晴らしいし、巧い。だけど、最後だけ、合唱団だけを聴きに来るのは止めて下さいね(一同爆笑)。新聞にはこう書いて下さい。<皆さん遅れずに来て下さい。全部を通して聴いてこそ柴田南雄の世界が理解できる。種を蒔いて、花が咲いた柴田南雄の作曲過程を聴いて下さい>
これ、記者会見中もっとも受けて盛り上がったスピーチでした。

今日は月例会です。
これは明日に書きましょう。


戻ります