'97/3/5

新鮮な感動


地味な曲ですが名曲だと思います。
演奏会(CD録音)を一週間前に控えて、「カンツィオネス・サクレ」をそう思います。

練習でのことですが、当初の予定を変更して(私はこれをよくやってしまうんです)歌う人数を減らしたんです。
始めは厚い響きやまろやかな音色を意図して人数を少し多くして演奏に臨んだんですが、練習を重ねていくうちにパート内で微妙なズレがクローズアップされてきてしまったんです。
まだまだ合唱団の個人レベルには格差があります。
それは解っていたんですが、できるだけ多くの団員と一緒に体験してもらいたいと思うじゃありませんか、ねえ。
CDに記録を留めたいと思うじゃありませんか。
ですから、室内合唱団の研究生も一緒に練習を続けていたんです。
研究生にとっても、実力をつけるための絶好のチャンスですから、練習に参加してもらっていたんですよね。

それがやっぱり、直前になって「減らそうか」となったんです。
「減らそうか」と言ったのは私ですよ。
その結果なんです。
曲によってはもう少し音に厚みが欲しいなと思ってしまう所もあるのですが・・・・。
何と、音が立ったんです。和音が立ったんです。ハーモニーが澄んだんです。
動きが機敏になりました。私の棒のもとに自由自在に動くんです。
私が22年前に意図した合唱団、それが目の前で響いていたんです。こういう合唱団だったんですよ、私が創ってきた合唱団は。

いつのまにか私はあきらめていたんでしょうか。妥協していたんでしょうか。
あっという間に時間が過ぎてしまっていました。
合唱団も思いっきり声が出ていたんですね。
ポリフォニーの各声部がポンポン飛び出して来るんですよ。そして音のぶつかりが、そして音の協和が明瞭に聴こえ始めたんです。

これってとっても新鮮だったんです。

今日の練習、これらをもう一度確かめることができるんです。
この報告は明日書きます。


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