'97/3/20

男性からの拍手


きのうの練習は阪急「岡町」駅近くの教会をお借りして練習しました。
ここでお借りしている部屋は広く、動きの必要な時や大人数のオーケストラの時にも使わせていただいてところです。
きのうは「大白道」のシアターピース(パフォーマンスを伴う楽曲)の部分を練習しました。
既に男性、女性とも今週の月曜日に動きの練習はしていたそうです。
私はそれには参加しませんでした。基本的な演出意図は既に伝えていますし、大まかなところで動きは指示してあったものですから、細かいところのことはそれぞれにまかせてあったんです。
こういったところにも、私たちの合唱団の特徴はあろうかと思います。
今回は、男性は女性に比べると大きな動きはありません。というか、パフォーマンスはするものの女性に比べればまだやりやすいでしょう。
終曲の部分で重要な役割を持っているのは女性たちです。
ちょっと難しいことを要求しました。
それに答えようと月曜日臨時に練習を入れたみたいなんですね。
ですから、きのうのその練習の時まで、私もその動きをみていなかったんです。

随分その前よりは変わっていました。
動きの基本は変わっていなかったのですが、その密度は増していましたし、「語る」部分も真に迫ったものに変貌していました。
この終曲の最後に、男声はステージ上から消え去ることになっています。練習の時にも部屋の扉から実際に彼らたちは出ていったのですが、その後女性たちのクライマックスが訪れるその部分を聴いて思わず男性のなかから拍手が沸き起こったのです。
それほどに彼女たちの演技は迫真でした。
クラシックの音楽会で演奏者たちが「歩き」、「語り」を入れながらパフォーマンスをするのは珍しいことです。その分野で刺激あるイマジネーション・創造性に満ちた仕事をされたのが柴田南雄氏だったんですね。
今回の曲の至る所で、私は告白するんですが、鳥肌が立つんです。
まぁ、聴かれた方はどう感じられるか判らないのですが、クラシックの演奏会でのこういったことを意図されて演奏される作品はやはり珍しいことですね。
「音楽とは何か」「人間とは何か」「演奏するとは何か」を常に考えてこられた先生ならではの作品です。
何回もここでも書きましたが、また一つ、重い曲を残されたんですね。

今日は午後二時からの練習です。
いよいよ前日、通しの練習なんです。
たぶん巧くいくことでしょう。
明日がその演奏会。
沢山の人に聴いていただいて、柴田先生の思いを伝えることができればなぁ、と思っています。
今日はいずみホールの前、ニューオオタニに泊まっています。
いずみホールでの演奏会の前はここを常宿にしています。
今日の練習の報告はその部屋からです。

'97/3/20「男性からの拍手」終わり


Back

Next