No.95 '97/8/6

ドイツ演奏旅行記(ドライアイヒ後編)


さて、ドリント・ホテルを出た我々は明日の演奏会に備え、会場の下見へと向かいました。

今から思えばこの頃は皆元気でしたね。
町並みを探索しながら、ホテルから数分のとろこにある会場まで歩きました。
ドイツの町は整然と家が建ち並んでいます。番地も道を挟んで偶数番号と奇数番号が付けられています。横並びに1.3.5.7、片側に2.4.6.8という具合に番号が付けられているのですね。これなど便利ですね。

会場前でポスターを見つけ、さっそく記念写真です。
確かに私たちはここで演奏会を開くんだ、と確認ですかね。

ホールの正面とその内部です。

実はドイツに来る前から私は少し不安を覚えていました。日本でのFaxのやり取りのなかでもこの初日の演奏会のことに関してはその他と違い、どうも報告の歯切れが悪かったのですね。
その理由は、先ずこのホールが多目的であること。そして何と私たちの演奏会の前には演劇の公演が入っていた、ということだったのです。説明ではそう珍しいことでもないとのことでしたが、ちょっと戸惑ってしまいましたね。
ホールに入ってみると音響が悪い。いや響きが最悪といったものでした。
音響板があるのかと聞いてみると、「ない」と言う。「こりゃだめだわ」でした。
しかし、そういった条件下でも少しでも何とかしようと我々は練習をし始めました。ステージには劇のセットが組まれています。それを退けることができないまま練習が進められていったんです。
嬉しかったのはこの場合でも団員は誰一人文句をいいません。もし誰か不満を言い始めたら・・・・演奏会は最悪のものになったことでしょう。
演奏会の結論をいいますね。
翌日の演奏会は「大成功」でした。お客さんも沢山入りました。(八割がた入っていたのではないでしょうか)始めはお客さんの表情も固く、乗りももう一つだったんですが、曲が進むにつれて会場は熱い空気に変わり始めたと思います。それを受けて合唱団も熱がこもりました。プログラムの終曲を演奏し終わったときは、足を踏みならし、総立ちの拍手でした。お客さんの顔はどれも興奮気味でした。ステージからそれがハッキリと見えたんです。
是非言っておきたいことがあります。それは、私たちをそのような演奏にさせてくれたのは実はそのホールのスタッフの方々でした。前日の下見の時から、3人のスタッフの協力的な態度は私たちを励ましてくれたと思います。練習中私たちの演奏に一番熱心に耳を傾けてくれたのはそのスタッフでした。練習が進むにつれどんどん彼らたちの表情や態度が明らかに協力的、友好的になっていったんです。
当日も裏でドアマンをしていてくれた人など、私がステージから戻って来る度に満足そうに、そして尊敬とも受け取れる眼差しで迎えてくれるんです。これにはホント勇気づけられました。

演奏会は大成功でした!
そうなれば「打ち上げ」です。
ホテルの近くのお店を予約し、美味しいビール(ビールのことはこれからも沢山書くことになりますね)をたらふく飲み最初の演奏会の成功を祝いました。

右前の方がクランさんです。奥にいらっしゃる方が在フランクフルト日本国総領事の藤田 直氏です。
藤田さんにはこの後のケストリッツのレセプションでもお世話になりました。

 

左がクランさんの奥様、そして中央が藤田氏です。

'97/8/6「ドイツ演奏旅行記(ドライアイヒ後編)」終わり