No.98 '97/8/26

ケストリッツでのレセプション


バスでケストリッツについた我々はシュッツ・ハウス(シュッツが生まれた家)に感激し、しばらく立ちすくんでいました。
写真を取ったり、周りを見て歩いたりするうちに案内されたところがシュッツ・ハウスの建物の奥隣りにある公舎。
ワインをいただきながら少し歓談。
そしてレセプション会場となっていた部屋へと案内されました。

列席者は
ケストリッツ町長 ライムント・シュミッツ氏
フランクフルト日本領事館の総領事 藤田 直氏
州政府閣僚 マルティナ・シュヴァインブルクさん
閣僚評議会 ドクター・ウォルフガング ミュラー氏
州議会議員 ペーター・シュッツご夫妻
牧師(ゲラ・ヨハネス教会) ウルビッヒ氏

という方々が参列、そしてスピーチされました。

チューリンゲン州ケストリッツへ招いた喜び、これを機会として文化交流を行って行きましょうといった内容だったのですが、一人印象に残るスピーチがありました。
マルティナ・シュヴァインブルクさんの話でした。
「実はあなた方を招くにあたって議会内でも賛否両論がありました。現在財政難を抱えている中でどうして予算を使わなければならないのかというものでした。私たちはこれらの意見を充分解った上でその必要性を説き、実施に踏み切ったのです。」と。
旧東の町や都市では財政難が続いていることは予想がつきます。これらのことについてはドイツ全体が抱えている問題として日本にもそのニュースが流れています。

今までの我々の演奏旅行は個人や限られたグループなどによって開催されていたものでした。
しかし、今回はこのように公費が使われたのですから、我々を招くにあたっては随分論議がされたことは想像に難くありません。
レセプションは厳粛の中にも友好的な温かい雰囲気に包まれながら進んでいきました。

スピーチの合間に当地の合唱団から歌の披露がありました。
指揮は元トーマス教会の合唱団で歌っていたトーマス・ポンマー氏。氏は日本への演奏旅行にも参加していたとか。片言の日本語でのあいさつもありました。
次の写真はその合唱団です。
曲はドイツ民謡やシュッツの合唱曲。この日のために並々ならぬ練習をされた後がうかがえるような演奏でしたね。

 最後に私たちがお礼の意味も込めて歌をうたうことになっていました。
私たちがうたっている中、この合唱団の人たちが見せた驚きの顔が忘れられないですね。

レセプションが終わってから何人かが我々の団員を捕まえて話を交わしていました。
「私たちももっと巧くなるよう練習します」と語っていたそうです。
彼らはその後のゲラの演奏会にも、熱心に、そして笑みをいっぱい浮かべながら声援を送ってくれていました。

この後我々はシュッツ・ハウスに戻り、見学をすることになります。
その報告は次回に。

 

'97/8/26「ケストリッツでのレセプション」終わり