No.99 '97/9/16

シュッツハウス見学


レセプションを終えた私たちはシュッツハウスに戻り、シュッツ博物館の展示物を見学することになりました。
歴代の町の区画整理によって当初の建物より随分小さくなったとはいえ、紛れもなくシュッツが生まれた家です。
その建物が現在シュッツ博物館としてオープンしているわけです。
私たちは説明を受けながら館内を見てまわりました。

文献、楽器、シュッツと縁があった人たちの写真、それにレプリカが展示されていました。
「ここの展示物はどうですか?」と問われたものですから、つい正直に「シュッツを知っていただくためならばこれでいいかもしれませんが、シュッツの功績や偉大さを示すためにはもう少し欲しいところですね」と意見を言ってしまいました。
でも、それって少し苛酷な要求かもしれないですね。重要なものはほとんどドレスデンその他の都市に散らばっているんですからね。
ドクターシュタインさんもこの後おっしゃっていました。
「ここではシンポジウムなどを通じてシュッツの研究を行っていますが、日常的にはこの町の子供たちに音楽を教え、そして広めたいと思っています」と。
つまり、音楽普及の場とも考えられているんですね。
このハウスの一つの部屋にはその為でしょうか、パイプオルガンの模型などが置かれていました。

この博物館がこれからどのようにドイツの中で、あるいは世界にあって役割を担っていくかについてはもう少し時間が必要かもしれません。
しかし、私にとってもそして合唱団にとっても、シュッツの生家そのものが意義あるものなのですね。幼い頃の短い期間だけしか住んでいなかった家とはいえ、ドイツ音楽の基礎を築いたといわれるシュッツ。そのシュッツがここで生まれたという事実は私たちにはとても重いことなのです。

シュタインさんが自ら、シュッツについてお話をしてくださいました。
そういえば、話をされているうちに私たちの様子を見て、「これらの話は皆さんよくご存じのようですね」と話を端折ってしまわれる場面も多々ありましたね。
事実、合唱団員はよくシュッツのことについては知っていますからね。

この後皆でビールを飲みました。
先ほどレセプションに出席されていたゲストの方々がお見えでした。
その方達とビールを飲みながらの歓談です。
勿論ビールは「ケストリッサー・シュヴァルツビアー」。
美味しい黒ビールです。
この時ですね、マネージャーとしての明子さんと倉橋さんがMDRのラジオのインタビューを受けたのは。
始めはきっと私にインタビューをと思っていたようなのですが、私が逃げ回っていたものですから、彼女たちがその代役を担わされたというわけです。
これは翌日放送されたと思います。(だれもその放送を聞いていないのですが)

日本からの初めての公式訪問。
その温かい歓迎ぶり、そして充実した時間は、我々の緊張をほぐすには充分過ぎるほどでした。

帰りのバス・・・・・、それは充たされた想いで一杯の私たちであったことは言うまでもありません。 

'97/9/16「シュッツハウス見学」終わり