No.100 '97/10/2

ゲラでの演奏会


ケストリッツのシュッツハウス(シュッツ博物館)でのレセプションを終えた私たちは最高の気分で宿泊地のイエーナに戻ってきました。
疲れていましたが、ここチューリンゲン州の二つの大きな町での演奏会を控えた私たちには充実した時間の流れでした。
この日は心地よく深い眠りに包まれたのでした。

翌日、ゲラに向かいました。昨日のケストリッツの町を越え、ゲラに到着です。

シュッツの名作である「ドイツ・レクイエム(ムジカリッシェ・エクセークヴィエン)」はゲラのハインリッヒ・ポストゥームス・フォン・ロイス公の葬儀のために作曲されたものです。
その棺には12の聖句と祈りの言葉が金文字で彫られ、それをテキストとしてシュッツは曲を書きました。

その棺がゲラのサルヴァトール教会(St. Salvator)に安置されていたのですが、教会の老朽化のため、ヨハネス教会に移すことになり、それを記念して私たちが演奏することになったものです。
写真の右下の教会がヨハネス教会です。
木々に囲まれて全貌は見えないのですが大きく立派な教会でした。
この日も私のデジタル・カメラで撮ったのですが、この数枚だけでした。
(他のメンバーは沢山写真を撮ったようですが、残念ながらその写真は掲載することができませんでした。)
教会内や演奏会の雰囲気を伝えられないのが残念です。聴衆は熱狂的な拍手で私たちの演奏を成功へと導いてくれたと思います。
新聞社のインタビューにも応じました。
その記事は翌日掲載されています。

参考文献や本などで、この棺の様相は想像していましたが、実物を見て、その豪華さには目を見張りました。「レクイエム」を演奏するとき、演奏者にきらびやかな服装を着て演奏したいもらいたいと常々思っていたことが、そう外れたものでもないなと思ったのはこの棺を見たときでした。
いつも演奏していて思うのですが、この「レクイエム」はそういった豪奢な装いを持っています。

この教会のオルガニスト、ツィッツマン氏は素敵な音楽家でした。
彼が弾いたバッハの「前奏曲とフーガ」は我々をより音楽的な精神へと高揚させてくれました。
バッハ演奏の伝統がここには残っていると感じたものでした。
人なつっこい彼の笑顔が好きです。

 上の写真は演奏会後の宴会(?)ですね。
彼はこの後も私たちの演奏会(ドレスデンでの演奏会)に足を運んでくれました。
彼にシュッツ合唱団を振ってもらいました。
合唱団も彼の棒に何の違和感もなく歌っていました。これって、やっぱり音楽は<世界共通語>だと改めて感心した次第です。
合唱団が歌うと、他の客が扉の所に集まって聴き入っていました。
こういう風景は、今度の旅行中も沢山ありました。
ほんとにドイツ人は音楽が好きなんですね。

 

'97/10/2「ゲラでの演奏会」終わり