No.108 '97/8/19

旅行のはざまで


ドイツとイタリアの旅行から帰ってきて間もなく沖縄へと旅だったのは何ともハードなスケジュールでした。
まとまってお休みが今年中に取れないと聞いていたものですから、「ここしかない」ということで前々から経験したいと思っていたスクーバダイビングを始めたわけです。
沖縄から帰ってきた次の日に合唱団の練習をし、そして翌日夏期合宿へと突入したのです。

ドイツ(10日間)〜イタリア(5日間)〜4日間家に滞在〜沖縄(5日間)〜一日おいて〜合唱団合宿(4日)

というスケジュールでした。

これはやはりきつかったですね。
しかし、今も思うのですが、このどの一つを落としても自分にとっては後悔することになったと思うのです。
合宿は、合唱団員の成長の素晴らしさをまざまざと見せつけられた4日間でした。
ほんともうどこに出しても誇れるメンバーたちになっていました。
音楽を楽しむこと、テクニック、そして人間性においてもどれを取っても大きな成長がうかがえます。
世の中の大きな変化を感じる中、彼らは着実に真っ直ぐ成長し続けていると思います。

ドイツで感じたことですが、音楽を大事にしている様は日本の比ではないことは確かなことでした。
しかし、ゆっくりではあるが大きく世の中が動いているのを感じるのです。
まだ言葉にできるほどではないのですが、人間の意識の何かが変化していると感じるのです。
それは沖縄でも感じたことでした。
去年初めて沖縄を訪れたときは「沖縄の熱さ」を感じたものです。<暑さ>じゃないですよ、<熱さ>です。
去年は沖縄の夜の繁華街を徘徊していましたね。今回は夜は疲れて寝ていたものですから、昼間の徘徊です。その違いがあるのでしょうか。ちょっと感じてしまったのです。
それはドイツやイタリア、そして沖縄で共通していたのです。
「豊かさの追求」「経済論理の優先」とでもいうのでしょうか。まだ私の中でもまとまっていないのですがそんなことを考えていました。
このことについてはこれからも考え続けていこうと思っています。

私たちの合宿の間に「終戦記念日」(一時これを敗戦記念日としたほうが良いという論争がありました)を迎えたのですね。
毎年同じように、この頃になると新聞や雑誌で関連記事が掲載されます。
まだまだ我が国の大勢は「日本孤立型」の意見です。
諸外国がどのように動いているか、また日本がどのように見られているか、知ってか知らずかそれらを無視するような意見が後を絶ちません。
これらの記事を読む度に私などはビックリさせられてしまいます。
ずいぶん私と隔たりがあるんですよ。

あっという間に8月も終わりを迎えようとしています。
時間に押し流されることなく、周りの動きにも注意を払いながらどう毎日を過ごすか?
そんなことを考えている今日この頃でした。

'97/8/19「旅行のはざまで」終わり