No.109 '97/10/13

合唱コンクール「一般」


聴衆が少なかったです。

「おかあさんコーラス」、そして昨日の「一般」もです。
これはコンクールに限らず、コンサート・ホールでも同じですから、コンサートへ出かける人の数はやはり減っているのでしょう。
また、合唱界での合唱団の数や、その団員数も減っているような気がします。

合唱は今下火でしょうか?
合唱連盟の方が話をしておられたようですが、「もっと聴きに来てください」という言葉も真実味がありました。
どうしてだろう?  と考えるのですね。

今日一日審査をしたわけですが、予想を越えてコンクールのレベルが落ちているように感じます。
そのために採点の基準が難しかったですね。
どこに基準を置けばいいのか?
基礎がしっかり身に付いていないわりには、皆さん難しい曲を選ばれるのです。
様式や、音程の取り方、ハーモニー作りを理解しないままコンクール用の曲を練習させられているといった印象です。
会場ももう一つ盛り上がりません。
関西はレベルが高いと聞きます。ということは他では・・・・・・。
これは余り想像したくないですね。

演奏を聴いて思ったことです。
指導者は良い音楽性を持っているのに、それを演奏するテクニックの無い団。
団は良いテクニックを持っているのに、それを巧く引き出せない、あるいは押さえてしまっているような指揮者といった組み合わせを今日沢山見ました。
「合唱」は少し病んでいるのではないか?
それが正直な感想です。

結局・・・・・・・
みんな、合唱する人って「歌いたい人たち」ばかりじゃないのか。
「歌いたい人達」ばかりで、実は、「聴くことが好き」だっていう人は合唱する人の中にはいないんじゃないか。
歌う事を奨励するのだけれど、聴くことの楽しさを積極的には推進してはこなかったのではないか。
そんなことを考えてしまいました。

私自身自戒を込めていうのですけれど、
指導する側がもっと推し進めなければならない問題があるように思いますね。
これからも
「音楽とは何か」
「演奏するとは何か」
「コンサート」とは
「聴衆」とはどういうものなのか
「演奏とは何か」を
見つめ直さなければならないと強く思った次第です。

でも私にできることといえば・・・・・・
私が関係するコンサートでは、聴いていただいて「楽しい」「面白い」、そしてできれば時間を忘れていただけるような空間を提供する演奏をすることですね。
そして、その為にも団員や関係者には「聴くに値する演奏会」には積極的に出かけるよう薦めることでしょう。
そして、コンクールでは
基礎に忠実であり、音楽を楽しみ、将来が楽しみな団体に良い評価を与えることだと思いました。
まだまだ「演奏」として充実したものではありませんが、未来を託して評価したいと思います。
来週19日、「大学部門」「職場部門」です。
もう一日精一杯聴くことにします。

'97/10/13「合唱コンクール(一般)」終わり