No.118 '97/10/20

合唱コンクール「大学・職場」


「大学・職場」部門の感想です

期待したのですが、外れました。
もうこれは社会的な問題でしょうか。ここまで低迷しているのは。
出場団体が少なかったことで順位は付けやすかったことは事実ですが、なにか充実感が無かったといいますか、満足いく採点ではありませんでした。
その中での評価をしなければならず、順位はつけたものの金・銀・銅の選定には迷いました。
私見では、事実上の「金」は無かったと思います。

もし、強いて言えば「職場」の「松下中央」がそれに値するでしょう。
でもこれとて、広く「音楽」として捉え直してみると、考え込んでしまいますが。

この日の印象に残る「演奏」や「団体」を列挙してみましょうか。
まず、Aグループからは「奈良女子大」です。
のびのびとした歌声で癖もなく、響きある低声に乗ってテンポ良くハーモニーが進んでいきます。色を無理矢理に塗りたくっていくような他の団に比べ、真っ直ぐに音楽に取り組む姿勢に好感を持ちました。また特筆しておきたい「リズム」の良さは一位に押したポイントでした。
この音楽に導いた指揮者の学生には、私から「学生指揮者賞」を推しておきました。

Bグループではフリューゲルを一位に推しました。
しかし、これは数少ない出場団体の中からの制限によっています。
そして、良いことかどうか疑問のところですが、以前の響き(当日の演奏だけによって判断しなければならないのですが、「知っている」ことによって比べてしまうのですね)に比べて格段のまとまりを感じました。その「ハーモニー」と「アンサンブル」をかった結果です。

印象に残っている悪いものを・・・・・・
この日にも言えることですが、声の力でもって圧倒しようとする団体が多かったですね。とくに「職場」で強く感じました。
その結果ハーモニーがすごく歪んでしまったことが残念です。
声量を大きくしようとするとピッチを正しくとることが難しくなっていきます。
そのギャップを埋めることは並の練習ではダメですね。
団の音楽に対するスタンスが問われるところです。

指導者に問題がありますね。
特に指揮をなさる先生方には特に自重して頂きたいものだと痛感しました。
「大学」のコンクールは本来、学生による指揮が望ましいと私は考えます。
何かの都合で、あるいは指導される先生の考えによって指揮される場合は、経験の少ない学生よりは増しな棒を期待したいと思うのは当然ですね。
しかし、実際は「ひどい」ものでした。
ここにも大きく「?」を感じました。

幾つかの団体には「驚き」を越えて「不快感」を持ちました。
上位にランクされてはいるが、これが<皆が望んでいる演奏>なのかと困惑したものも少なくありません。
正直、あまりにも、私が経験を通じて捉えてきた「音楽の基準」との間に差がありすぎました。

初めてのコンクール体験でした。
これで報告は終わります。

'97/10/20「合唱コンクール(大学・職場)」終わり