No.170 '98/9/8

Rathenow(ラテナウ)


さて、二日の中休みを挟んで後半の演奏会が3日連続します。
ラテナウという町、私もよく知りませんでした。
こういったときその町に出かけるのは楽しみでもあり、少し不安でもあります。

ポツダムのホテルを出た我々は1時間半ほどでラテナウに着きました。
その日は風が強く吹いていたのが印象的です。
演奏会場である聖マリエン・アンドレアス教会(St. Marien-Andreas-Kirche) は今もなお修復が続いているという戦渦を残す教会です。
内部は祭壇の部分が 破損されており、我々がリハーサルをするときでも修復作業が行われていました。
今回の演奏旅行中、唯一オルガンが設置されていない教会でした。
演奏会が終わってから話を聞いたところ、やはり早く再建したいこと、オルガンの設置も果たしたいとのことでしたが、オルガンに関しては顔が曇っていましたね。資金が無いそうです。

教会はとても間近では全景を捉えることはできません。写真は二枚にわたります。

お客さんは満員でした。そして大歓迎を受けました。
ここで柴田南雄の「宇宙について」を演奏したのですが、さすがこれは「?」の顔があちらこちらに見えます。どういう反応で帰ってくるか少し不安がよぎりましたが、終わったとき全てそれらの不安は吹っ飛びました。
お客さんはまたもや熱狂的な拍手でもってその演奏を受け入れてくれたのでした。(この模様は8ミリビデオに収録されています)

 

ちょっとここで私がいつも演奏会前に主催者側にお願いしていることを書きますね。
それは私用の部屋を用意していただくこと。そしてその部屋には横になれるようなソファかベッドがあること。
これが私のお願いなんです。
この日はベッドのある部屋を用意していただけました。

 

リハーサルで集中した気持ちを一度リセットするには眠りを取ることです。
15分ほど寝ると新鮮な気持ちになれます。この仮眠があるかないかで本番の出来不出来が決まります。私はこの短い仮眠が得意です。すぐ寝ることができます。この日も本番は快調でした。
日本でもしたいのですが、これがなかなか出来ないんですね。休むようには部屋が考えられていないんですね。これが改善されれば指揮者や演奏者がとても喜ぶと思いますね。

'98/9/8「Rathenow(ラテナウ)」終わり