No.177 '98/9/14

Eisenach(アイゼナハ)〔3〕オプショナル・ツアー


「ルターハウス」を訪れた我々は、一度カールス広場(ニコライ教会のある広場)に行き、バスを待って「ヴァルトブルク城」へと向かいました。

中世以来、ドイツ史の中で意義ある 働きをしてきたお城です。
私もこれまでバッハの音楽やキリスト教に触れる度に本、写真や記事に接してきました。一度はバッハの生家とともに訪れたいと思っていた場所です。

ヴァルトブルク城の門のある高台から眺めた森と街です。

そして城門です。

ヴァルトブルク城は堅固にそびえていました。

このお城を有名にしているのは、3つです。
一つは、1200頃に行われていたという騎士文化の中での「歌合戦」です。
ヴァーグナーはこの史実をモデルにしてあの「タンホイザー」を書きました。
二つ目は、奉仕の生涯を送った聖人、エリーザベットです。彼女は14歳でこのお城に嫁ぎ、悲運の故に20歳の時に追われるようにこのヴァルトブルクを去ります。彼女の数奇な運命と事績を描いた壁画や絵画が印象的です。
三つ目は、宗教改革者ルターがドイツ語訳の新約聖書をこのお城でその偉業を成し遂げたということでしょう。
その「ルターの部屋」が今も残っています。

その他にも、このお城は現代においても記憶に残る場所としての任を担いました。
1990年9月、ドイツ、オーストリア、ポーランド、チェコスロヴァキアの音楽家が集まって近代版の歌合戦が行われています。これは東西統一を意識してのイベントです。そしてこれは、1817年、その時の体制に反対する集会が行われたというものに沿ったものでしょう。その決起集会的な伝統はその後も続き、学生や若者たちの集会が時折行われているそうです。

もうすぐ赤ちゃんが産まれるというカトリンのことが少し心配でした。
でも彼女はタフでしたね。彼女をサポートしていたライナーも「可愛かった」です。
我々は少しへたり気味。お城を出る頃はお腹がすいていてちょっと目眩がしていました。
バス停のところまで降りて来て、屋台(?)のソーセージを挟んだパンをむさぼるように食べたのを覚えています。
こういうとき、ハチと格闘です。ドイツのハチは強いです。口に入れようとする食べ物に向かって突進してきます。日本でならばあのハエの状態なんです。
刺すといったことはしないのですが、でも馴れない我々にはちょっと気味悪いというか怖いですね。

腹ごしらえもでき、いよいよ「バッハハウス」へと向かいます。

'98/9/14「Eisenach(アイゼナハ)〔3〕」この項続きます。