No.193 '98/11/25

一つ一つ終わっていきます


和歌山での「メサイア」全曲演奏が終わり、昨日「マンスリーコンサート」も終えました。
「メサイア」は3時間に及ぶ演奏でしたが、教会の響きにも助けられ無事終わることができました。
ここでいう<無事>とは何となく不似合いな言葉ですが、様々な想いからの正直な私の感想です。

合唱団のハーモニーが一段と向上しました。
各パートの声質、ピッチが揃ってきた成果です。
その結果、各曲での演奏の安定度が今までになく増したと思います。
ただ、課題は山積みの状態です。
これからも一層の向上を目指したいと思います。
独唱者たちの皆さんには感動しました。
客演の頃安氏は勿論のこと、手前味噌になるかもしれませんが、シュッツ合唱団の<声楽アンサンブル>によるソロはそれぞれに見事でした。
特にカウンターテノールの上田達也の成長は著しいものでした。
まだまだ堅さはあるものの、彼の演奏では今までの中でベストではなかったかと思われます。

今月の「マンスリーコンサート」は昨日、火曜日での演奏会となりました。
いつもは第3水曜日が定例なのですが、都合によって今月は曜日が変わりました。
それが影響したのか、少しお客さんも少なかったようですが、いつもながらの熱い視線と雰囲気に恵まれた演奏者は幸せでした。
それにしても、来ていただいているお客さんには感謝です。
皆さんに支えられて、新たなる音楽の表現に向かって歩みを進めたいと強く思う次第です。

正直、この時期少し疲れを感じますが、音楽の現場では何故かしら元気が甦ります。
こうして一つ一つの演奏会が終わっていきます。
ホッとする反面、曲との別れに寂しさも加わりいつもの事ながら複雑な心境です。

いよいよコレギウムの演奏会としては3つを残すばかりです。
どの演奏会も楽しみです。
「ランチタイム・コンサート」「クリスマス・コンサート」ベートーヴェン「ミサ ソレムニス」。
それぞれに違った顔を見せる合唱団、そしてそれを支え、自らの演奏にも磨きを増す今充実のアンサンブル。
良い演奏を!と、皆張り切っています。

No.193 '98/11/25「一つ一つ終わっていきます」終わり