No.220 '99/7/26

京都モンテヴェルディ合唱団演奏会の感想


私にとって、今年前半期の最後の演奏会が終わりました。
「京都モンテヴェルディ合唱団」の「Regalino di Musica(ささやかな音楽の贈り物 )10」です。

自分が振ってその感想というのも変ですが、ちょっと書いておきたいと思いました。
何かテーマを設けてのプログラムというよりは、歌いたい歌を気軽に京都で聴いていただこうという主旨ではじめた演奏会です。
大曲ではなく小品を、そして親しみ易い状態で合唱曲を聴いて頂きたいと願っています。
といってもやはり合唱団にとっても更なるステップとなればと願って選ぶ曲は難曲に成りがちです。

今回も私のわがままで、バッハのモテット「イエスよ、我が喜び」を選ばさせていただきました。
やはり難しいですね、この曲。
しかし、期待に応えて、合唱団は今の実力を最もよい形で示し、そして歌いきってくれたと思います。
会場の暑さにもめげず、集中力を保ち、音程も安定し、ポリフォニーにおいても各声部とも破たん無くその役目を果たしてくれました。
しかし、内容表現は、と問えばそう喜んでもいられません。
やはり、宗教的な喜びを人間の一般的な喜びとしても伝える、という私の意図はなかなか難しいことのように思われます。
言葉の壁もあって、なかなか感情移入ができないということもありますが、バッハの音楽が持つ「器楽性」ということも一因しているようです。
やはりこの曲は(モテットというジャンルといってもいいかもしれません)合唱団にとっても試金石のような働きをしますね。

前半の洋物に比べて、日本語による邦人曲はお客様にも好評のように思われました。
合唱団も生き生きと表現します。
言葉が明澄に聞こえるようにという私の意図はほぼ達成出来たのではないかと思っています。
日本語、それは母音の響きの変化こそが大事だと私には思われます。
画一的な響き、暗く統一された母音の響きは全体を重く、そして表現を単調にしがちです。
まだまだ私が思う母音の変化ではありませんでしたが、意味が解るというところでは満足のいく演奏だったかなと思っています。

次回は会場を変えての公演。
京都文化博物館(別館展示室)で行うことが決まっています。
「モンテヴェルディ連続演奏シリーズ」も続けられますが、次回はマドリガルを一度お休みし、ミサ曲を聴いていただこうとまたまた私のわがままを合唱団は聞いてくれました。
マドリガルは装いを新たにして来年から取り組みたいと思っています。
どういったものになるか、楽しみにしていただければ嬉しいです。

これで今年前半の演奏会全てが終了しました。
ホッとしたいところなのですが、秋のスケジュールがこれまたすごいんです。
その為の練習がこの期間に集中します。
シュッツ合唱団、女声合唱団「りんどう」、「和歌山バッハ・コール」、「京都モンテヴェルディ合唱団」、大学の定期演奏会が並んでいます。
今年はその他に全日本合唱コンクール中部支部大会の審査も引き受けました。(これはちょっと楽しみです。どんな響きを、どんな演奏を聴かせてもらえるか。9月の25日、26日の両日です。)
とにかく、そういった訳で休む日がないようです。

しかしです、その合間をぬって、私は一生懸命遊びます。
遊びにもまっしぐらです!
美味しい料理を求めて、美味しいお酒を求めて、そして花火大会、そしてダイビング、絵も見たいですね、夜のエキスポランドもいいかもしれません。
そして体を鍛えなければなりませんね。そのための運動も必要です。
とにかく、スケジュールなんか・・・・です。

といってはまた家人に怒られそう。
ったくもう・・・・です。(ということで、ほどほどにしておきます・・・・・)

No.220 '99/7/26「京都モンテヴェルディ合唱団演奏会の感想」終わり