No.226 '99/8/18

原生林が意味するもの


西表島のことはほとんど知識を持っていませんでした。
原生林に覆われた島、今世紀最大の発見といわれた<イリオモテヤマネコ>、そして珊瑚礁の海、といった一般的な関心でした。
今回行ってみて思いましたね。
やはり、写真や、絵や、話や、記事などとはまったく印象が違うと。
実際に来て、体験してホントウに良かったです。

島の周りに人間が住む(人口:1900人〜2000人)、殆どが原生林に覆われた島です。
今回のカヌーで訪れたのはヒナイ川にあるピナイサーラの滝と西田川にある滝(地図にはまだ載っていない滝)でした。

写真では少し判りづらいかも知れませんが、正面の山の頂からの白い線が沖縄で一番の落差を誇るピナイサーラの滝です。
下の写真はその後に訪れた西田川にある滝です。

二つの滝でそれぞれに泳ぎました。冷たくて気持ちよかったです。中には魚もおり、西田川の滝ではパインの実に群集まって来た魚たちと少しばかり遊びました。

それぞれの滝に行くのにカヌーから降りて少し歩きます。
その道がすごいんです。これこそ感嘆と刺激の連続でした。どれもこれもお見せしたいのですが、うまく写真では伝わらないと思います。(例えば、樹に絡みつくツルアダンや生き物のカニやトカゲなど)是非実際に観ていただきたいものです。しかし、板根(サキシマスオウノキの根)という珍しい根を撮っていますので見ていただきます。

どこかで鳥が鳴いています。鳥についても詳しくないものですからその種類が判ればどんなに楽しいか、ちょっと悔やまれました。(帰りに川を下ってくるときに案内をしてくださった大滝さんに冠ワシの鳴き声は教えていただきました)
ツアーの終盤、引き潮で干上がった汽水域(きすいいき)と呼ばれる淡水と海水が混じり合う場所を少し歩きました。ここでマングローブとその周りの動物たちを案内していただきました。

生態系の連鎖を思うとき。ウーンと唸ってしまいます。
自然の営みはやはり偉大です。いや、地球生態系の一部分、人間としての自覚を新たに考えさせられました

クワガタがコンビニで売られる時代。そして養殖のクワガタが一千万円近い価格で売れたそうです。
カブトムシの自動販売機も登場していると聞きます。都会には自然がありません。その自覚がありません。

Ecotourism エコツーリズムという言葉があります。自然環境や生活文化を壊さず自然や文化に触れ、それらを学ぶことを目的とする旅行のことをいうのですが、まさに今日の一日はその一端を教えて頂けたのではないかと思います。
また是非体験したいと思いました。

'99/8/18「原生林が意味するもの」終わり