No.240 '99/11/10

東京公演のことを


今年の「東京定期公演」をこの土曜日に控えています。
今、その練習に追われる毎日です。

今年はモンテヴェルディ、シュッツの複合唱の曲(複数の合唱による演奏)を前半に聴いていただき、真ん中にデュリフレ、そして珍しいところでイギリスのフィンジーの曲を挟んで西村 朗、三善 晃氏の作品を並べました。

年代順を追ってのプログラムなのですが、演奏する面白さとともに困難さも伴いますね。
曲のイメージは曲ごとに変わりますから演奏する方も聴く方も楽しいと思うのですが、それがかえって単一的にならないようにという難しさがあるんです。

今回は無伴奏の女声合唱曲がやっかいでした。
この作品(西村氏)はテンポと抑揚が頻繁に変化し、言葉も源氏物語の和歌をテキストを用いていることから内容の理解に難解さが伴います。
しかし、「源氏物語」<宇治十帖>の話は読む機会の少ないところでもあるので、これは私としてはなかなか面白かったですね。(女声たちは浮舟の生き方についていろいろ面白い意見を言ってました)
三善 晃氏の「やさしさは愛じゃない」は現代語でもあるので理解しやすいのですがこれがまた難曲です。
いかに言葉を明瞭にするか、そして何といってもそのハーモニーとリズムが難しいです。
でも、演奏するのが楽しみです。
カザルスホールの響きをどうとらえて音楽作りするか、いまからワクワクしています。

年一度の東京公演です。
楽しみに待っていただいている方が沢山おられると聞いています。
それに応えられるよう万全を期して臨みますね。

No.240 '99/11/10「東京公演のことを」終わり