No.306 '00/7/21

コープマンのバッハ


衛星放送で今日からバッハの音楽番組が連続で放映されるそうです。
OCMのメーリングリストで教えていただきました。
番組表を見ることがないので、見たい番組を逃してしまうことがよくありますし(このときは悔しいですね。ちゃんとチェックしておけばいいのにね)、時には意外な良いプログラムに出会うこともあります。

今日はコープマン(有名なバッハ演奏家で指揮とオルガンを担当しています)によるカンタータの演奏が放映されていました。
今年はバッハイヤー(バッハ没後250年)ということでもありますし、バッハが亡くなったのが7月28日ということで、特集が組まれたんでしょうね。
講演を頼まれると必ず、「バッハを聴いて下さい。できれば毎日がいいですね」と言う私なんです。
一様に皆さん驚かれますが、私の勢いがあまりにも凄いのか「聴いてみるか!?」となかば呆れ顔でニッコリうなずいてくれるんですね。
今日の放映も見てもらってるかなぁと思いながら見ていました。

「批評」はよしましょう。
同じ曲目も演奏しましたし、指揮者としても同業者ですからいろいろ言いたいこともあります。(でも言わないんだ(笑))
有名どころの曲でした。いわゆるファンにとっては「おいしい」作品なんです。
訳がついていましたし、編集もスッキリしたものになっていましたから、一気に楽しくご覧になれるでしょう。
私としては、歌詞と音の関係を細部まで楽しみたかったので訳を見なくて聴きました。(これらの曲は歌詞も音符も頭の中に入っています。もしかしたら名訳を見損ねたかもしれないですね)
独唱のときは合唱が画面から消えている!という不思議に感動しながら(演奏会で実際もやってみたいなぁと思いました。独唱が終わると、合唱団がいつの間にか現れるんです(笑))、バッハの作品の面白さを楽しみました。
憧れにも似た「死」への想い。亡くなった人たちへの慰めに満ちた哀悼の音楽、そして親しげな神との対話。すべて、神への信頼を確信しての音楽です。
聴きながら、演奏者を超えてバッハの音楽を堪能していることの充実した「私の時間」を感じました。

これからも楽しみなバッハの作品が組まれているようです。
バッハの音楽を本当に楽しむことができるには、やはり少し時間がかかるような気がします。(こんなこと書いていいかなぁ・・・ちょっと心配)
ドイツ語も聞き取れないとダメでしょうね。カンタータにはキリスト教の知識がないとダメですね。(こんなにハッキリ書いて・・・・怖い)
そして一番大事なこと。
リズムを感じる感覚がないとダメです。ポリフォニーを聞き取れる耳がないとダメです。夢を、憧れを、希望を、生きる躍動を感じ取ることができない心ではダメです。(書いてしまった・・・・ブルブル←これ私のキーをたたいている指です(笑))

バッハの感動を伝えてきたと自負する私です(強気ですねぇ)
感覚的に入り、演奏を通して体験し、知識を蓄積して強化し、感覚に戻る。これが私の「バッハ道」です。(「道」とは何とまぁ日本人的(笑))

今度の日曜日が「邦人曲シリーズ」だというのに、「バッハ」の話題。
でもバッハってやっぱりいいです!

No.306 '00/7/21「コープマンのバッハ」終わり