No.362 '01/5/2

近鉄その不思議


ホテルは快適でした。
2日間の休みをもらった賢島での滞在は、久しぶりにゆったりとした時間を過ごすことができました。
部屋から出ることもなく静かな音のない部屋でただボーっとするだけ。これが良かったですね。

しかし、それが良かっただけにずっと気になっていることがあったんです。(いや、だんだん頭の中で膨らんで行くんです)
今、自宅に帰ってきているのですがそのことがまだ頭を巡っているんですね。

「津」に出かける日、始発駅は難波駅でした。
日頃近鉄電車に乗ることがあまりありません。
近鉄って以前からちょっと苦手でした。行き先によって始発駅が変わりますね。そして線がいろいろあって私の頭にはすっきり整理されていないことが原因です。
乗り換えもよく判りません。
そういった苦手意識もあって電車に乗るときはちょっと緊張します。

難波駅についた私は切符を片手に電車を確認します。
駅構内に表示される電動式の標識を見ると、確かに8時30分発名古屋行き特急の表示が出ています。
その下に停車駅が書かれているのですが、何度読んでも「津」がありません。
不安になってきます。
またその下に流れて表示される文字にはグルグル何度も同じ言葉が繰り返されます。
名古屋行き特急は「上本町の地上」から始発です、と。(書いてある言葉はこのとおりではないのですが、要するにそんな意味のことが流れています)
停車駅に「津」が無い。そして今まさに電車がホームに入って来ようとしているのに、名古屋行きの電車はここ難波駅ではなく、この先の上本町駅の地上駅から出るのだと記すのです。
「どうなってるの?」てなもんですね。
また、来た電車に乗って少し不安もあるなかで(指定席に座ってもまだ私の頭は「?」でした)車内放送をしっかり聞こうとします。
「津」の名前が確かに出ました。(ちょっと安心します)
でも正直、「津」に着くまでは心配でしたよ。(笑)
それにしても何故表示が無いのでしょうね。県庁所在地だそうですよ。

その後の「賢島」に行く電車でも同じようなことがありました。
「賢島」という名がなかなか出てこないのですよ。
また、「賢島」の駅の手前に「鵜方(うがた)」という駅があるのですが、「賢島」の駅よりこちらの駅の方が店も沢山あるということで後からくるメンバーを待ったのですが、ここの表示でも「賢島」の表示が出ません。(ほんとどうなってるの!といった感じです)
そしてですね。
もう一つ不可解なことがあるのです。不可解なことというよりは不親切といってもいいと思うのですが、駅周辺に「鵜方(うがた)」駅を示す道路標識が無いのです。
奥まったところにある駅舎。道路からは殆ど見えません。車を走らせていて急に駅が現れるのです。
土地の人ならともかく、他県から来る人にとっては不親切だと思いますね。

書いたついでにもう一つ。
これは近鉄電車のことではないのですが、観光地としてのこの一帯の印象について。
とにかく観光がここ一帯の収入源だと見るのですが、その割にはサービス努力が足りないのではないかと感じさせられることが多々ありました。
まぁ、私が行ったところだけだといいのですが(確かに、帰る間際に伊勢神宮の境内まで行ったのですが、ここはさすがに洗練されていて良かったです。対応が気持ちいいですし、対応する人にその意識がありありと伺えます)、「観光地」ということに皆が寄り縋っているようで、なにかしら空気の重い澱みを感じてしまいます。

ホテルでの滞在は快適でした。
しかし、その周辺の観光はあまりしたくない、というのが正直な感想。
近鉄といい、その観光地といい、ここ伊勢・鳥羽周辺、ちょっと「?」というのが印象です。

No.362 '01/5/2「近鉄その不思議」終わり