No.386 '01/9/23

白貂(しろてん)を抱く貴婦人


先週の木曜日、京都市美術館でおこなわれているチャルトリスキ・コレクション展に行って来ました。
話題の、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「白貂(しろてん)を抱く貴婦人」が展示されています。

1482−99年、ミラノに滞在していたレオナルド・ダ・ヴィンチがミラノ公ルドヴィコ・スフォルツァ(イル・モーロ)の愛人チェチリア・ガッレラーニ(1473年頃ー1536年)を描いたものとされています。
レオナルドが残した女性肖像画3点の内、この絵は肖像画史上画期的な位置を示すものとして注目を集めていたそうです。(3枚のうち、最後に描いた肖像画があの有名なモナ・リザです)
過去における各地での展示にも多くの観客を魅了したということですが、解りますね。
気品にあふれながらも愛らしさと優美さとを備え、例の口元でのあの微笑み、これは人を惹きつけずにはいられないでしょう。
抱いている貂が象徴しているということですが、チェチリアには純潔さと官能性とを併せ持った人物だとされています。
当時においても並外れた才能に恵まれ、イタリア語で詩作し、ラテン語で演説をふるうこともできたようです。
多くの人たちから称賛され愛されていた人物、この絵が描かれた時、チェチリアは18歳ぐらいだったのですね。

それにしてもこれらを蒐集したチャルトリスキ家には驚きます。
芸術を愛する伝統はこういう形で受け継がれていくのですね。
詳細はここでは書けませんが、是非お出かけしていただき記録や解説を読まれるといいと思います。
そうそう、ちょっと私も驚いたのですが、展示の最後の方にはショパンが出てきます!
ショパンの左手がありましたよ。
チャルトリスキ家とショパンの深い関係も知ることができました。

売店で画集や小物を買いました。
ちょっと笑ってしまったのは「貂」らしきぬいぐるみを売っていたことです。
私は買いませんでしたよ。(笑)

10月の28日までだそうです。
行ってみられることをお薦めします。

No.386 '01/9/23「白貂(しろてん)を抱く貴婦人」終わり