No.428 '02/6/4

「平均律」との闘い


シュッツ合唱団の創設は「平均律」との闘いを決意したときだったかもしれません。
「平均律」ってご存じですよね。
ドレミファソラシドです。ピアノやその他の楽器で聞き慣れたあの音階のことです。(ちょっと乱暴な説明ですが、便宜上そう言っておきますね)
この音階、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドそれぞれの間隔が「平均化」されたものなんです。

今日の話題ちょっとややこしいですか?

話を簡単に!
早い話、この音階を用いずに音楽したいということで合唱団づくりが始まったんです。
だからといって、あの例の訳の分からない「現代音楽」の雑音・騒音を使いたいということではないですよ。(笑)
もっともっと美しく、そして、かつて聴いたこともないような<性格的色彩>に満ちた音づくりをしたかったんです。
その為にも「平均律」とお別れをしなければなりませんでした。
わたしのオルガン調律、チェンバロ調律の経験がそれを強く促したのですね。

それじゃ、一体その魔法のような新しい「音階」はどんなものか?ということになるのですが。
これの説明がまたややこしい。(笑)
ここではやめておきましょう。(笑)
とにかく、それまでにない微妙な色彩感を味わいたいということだったわけです。

「平均律」との闘い、それは意外な側面を浮かび上がらせることになりました。
成果へのプロセスには紆余曲折があるのですが、これもちょっと端折って(笑)・・・・・、それは「日本語の鮮明化」に繋がったんですね。
母音と音高のコントロール、これがシュッツ合唱団の「新しい響き」となりました。
団員数も増えた合唱団の<響きづくり>は困難なことも多いのですが、伝統が(といっていいのでしょうか)受け継がれていて、そこそこ私の要求する響きが鳴っています。
しかし、ここに来て一層の明瞭化、表現化を目指そうとするわけです。
「古代へのいざない」これが私の現在の志向です。
ヨーロッパ音楽は中世・ルネッサンスから、そして我が国の音楽は・・・・・・・・・、石器時代からでも始めましょうか。(笑)

新しい「性格の感じられるような、それでいて部類の美しさに満ちた音づくり」、これが今したいんです。

No.428 '02/6/4「「平均律」との闘い」終わり