No.431 '02/6/20

寂しいクラシック・レコードコーナー


久しぶりに街中に出掛けました。
よく出掛けているのではないかと思われているかもしれないのですが、いつもは自宅と練習場(帰りはその近くの行きつけのお店)の往復、あるいは演奏会場となるホールとの行き来なんですね。
時々立ち寄る「東急ハンズ」「コンピュータ店」も練習場への行く途中にあるわけですから、ほんと行くところは限られています。

ちょっと昨日はレコード店へと足を運びました。
梅田界隈にある昔よく行ったお店へと久しぶりに出掛けたんですね。
地上を歩いたり、地下街を通ったりしながら目的のお店へと向かうんですが、これが結構風景が変わってしまっています。
新鮮な感覚というか、少し不安になるような感覚です。
お店の並びの随分変わり、昔よく利用してい飲食店や、喫茶店が無くなっているんですね。
で、レコード店に入ってクラシック売場へ。
奥まった狭く小さなコーナーへと追いやられている感じ。なんかしょぼくれた様変わりです。

品目も少なくなっていました。
レコードのタイトル名を見ながら物色し始めたのですが、リメイクものが多いのに驚きます。
表装は変わっているのですが、中身は以前に出されていたものばかり、まぁ、定番が多いのですから良いと言えば良いのですが・・・・。
そして廉価版も多くなりました。
なんか寂しかったですね。
宗教曲のバッハコーナーも同じようなものですが、唯一「バッハ・コレギウム・ジャパン」のカンタータシリーズが目を引きます。
是非とも全曲演奏を完結させて欲しいと、それを手に取り、心の中でエールを送りました。

しかし、正直言ってこれは衰退の一途をたどっていますね。
活気がないです。コーナーに輝きがありません。(笑)
昔などワクワクして探したものですが。
あまり辛辣なことを言うのは避けようと思いますが、この衰退ぶりの根は相当に深いと思いますね。
今、世を騒がしている政治の腐敗とも大いに関係しているのではないかと思いますね。世の中全体の構造に問題が相当あるような気がします。

二軒目に行ったレコード店でベートーヴェンのシンフォニー2枚を買って店を出ました。
これからの「クラシック」どうなるの、で、どうすりゃいいの、てなことを考えながら歩くのですが、取り留めもなく頭をよぎるものがあるものの何やらうつつに歩いていました。

レコードの購入もだんだんインターネットで申し込むことが多くなるんでしょうね。在庫があるかどうかも直ぐに判りますし、出掛ける時間も節約できます。
しかし、お店の人とのコミュニケーションが取れなくなるのは寂しいですね。よく「通」の方とおぼしき御仁と、これまた「精通」のお店の人とがレコードを巡って話に花が咲いているのをよく見かけたものです。そういうのが無くなるのは寂しいです。

今日(20日)は私の誕生日。
53才になりました。
先日の「現代音楽シリーズ」のことが毎日新聞夕刊(18日)に出たそうです。
京都造形芸大助教授の小林昌廣氏が執筆されています。
良い音楽づくりをしなければ、と誕生日を迎えてあらためて心を引き締めています。

No.431 '02/6/20「寂しいクラシック・レコードコーナー」終わり