No.465 '02/10/29

「東京定演」一週間前


先週の土曜日、そして日曜日と「東京定演」のための練習がありました。
モンテヴェルディの「ヴェスプロ」(聖母マリアの夕べの祈り)を中心としたプログラム。
この「ヴェスプロ」を挟んで、ペルトの新作と千原英喜氏の意欲作を演奏します。
新旧、時空を超えた「祈り」を聴いていただこうという趣向です。

ペルトと千原さんの作品は時間的には短いのですが内容は濃く、緊張感は並ではありません。
それに「ヴェスプロは1時間半という大曲です。
いつもの事ながら、その集中力と合唱団員の喉の負担、体力の消耗は今から少し心配です。(笑)
その上、今度使わせていただくホールは始めてのところ。
合唱団の位置決定や響きのつかみに時間がかかりそうでこれもちょっと気がかりですね。

モンテヴェルディでは、ソロ、重唱、合唱、それらが互いに響き合いながら音響の粋を極めなければなりません。
音色の対比やエコー様式、複雑なリズムを駆使しての華麗なるバロック的音響の世界。
かつ、合唱における魅力的な朗唱、声そのものの根元的エネルギーを表現するペルトや千原作品。
これらを一夜に演奏しようというわけですからこれはなかなかの意欲的プログラムといえましょう。(笑)

しかし、団員は真剣に取り組む中、これらを楽しんで演奏していますね。これが嬉しいです。
声楽上のテクニックやアンサンブルを整えるための気遣いなど、緊張感の連続の中にあってこれらを楽しんでいる様は頼もしい限りです。
これから一週間、最後の仕上げにかかります。
沢山の方々に聴いていただきたいですね。

No.465 '02/10/29「「東京定演」一週間前」終わり