No.476 '02/12/27

レンブラント展


21日(土)の雨の中、京都国立博物館で開催されている「大レンブラント展」に出かけました。
大混雑を予想していったのですが、拍子抜けの入り。
おかげでゆっくり、そしてたっぷりと観ることができて良かったです。

「レンブラント」、惹きつけられる画家です。特にバロック音楽を演奏するものにとって(特にシュッツやJ.S.バッハの音楽)、一度は観ておいていい絵ですね。
油絵の肖像画が集められた今回の「レンブラント展」、いろいろと考えさせられる絵画展でした。

いつもいつも文句を言おうとしているようで嫌なのですが(実はそんなことないんですよ、しかし私にとっては<変だ!>と映ってしまうことや驚きのことが多いんです)、こういったところに出かけたときには必ず主催者側の対応の善し悪しをみてしまいます。
今回も良いところよりはちょっとばかりがっかりするような光景に出会いました。
まず、入ったところでのマイクによる案内がいけません。
<あれ>をしてはいけません。<これ>をしないようにと注意を繰り返し呼びかけるんですね。子供じゃあるまいし、ましてや絵を楽しむために来ているのに始めからあれだけ「子供扱い」を受けてしまうと気分が暗くなってしまいます。
入ってからは警備の人たちもいけません。
私語が多いのには驚きました。しかしよく見ていると、どうも警備員にもタイプが二通りがあるようで、真面目派と軽いノリの「アルバイト風」に分かれます。(笑)
これは二つの会社か、あるいは博物館の関係者と警備会社の人との違いだったかもしれません。(これはあくまでも私の推測です)
とにかく絵の横にいる警備員(監視員)の「談笑」には驚きました。

さて絵なのですが。
早くから肖像画の第一人者としての名声を確立し、深遠の人物画を描いたレンブラント。
その細密なタッチと、例の「光と陰」には感動の連続です。
画の中の「瞳」を見ながら、心の内面までも描こうとした画家の「眼」に心打たれます。
人間が人間を観るその行為に私は「人としての情熱」を感じ、なぜか<救い>に似た感情を抱きました。
画の傍らに張ってある解説には少し落胆を覚えましたが、画そのものにはいたく感動した私です。

日本では、あるいは現代では、と言い換えてもいいのですが、「レンブラント」って人気があるのでしょうか。
関西ではどうでしょうね?
レンブラントの絵って派手さの無い、暗い印象ですよね。
これって受けないんじゃないかと思うんです。
雨が降っていた、土曜日ということもあったかも知れません。
それにしても人影が少ないのが気になりました。(私はゆっくりと観られて良かったですが)

もう一度「画」が観たい気持ちと、入場者の多さを確かめたいと気持ちもあって25日(水)に再度訪れました。 絵はやはり良かったですよ。
人影は21日よりは多かったですが、盛況というにはいかなかった入りだと思います。
落ち着いていいということも言えますが、昨今の絵画展での大入りを観てしまっている私には何故か気になる「大レンブラント展」でした。

No.476 '02/12/27「レンブラント展」終わり