No.477 '02/12/29

年末の涙


29日に「白骨温泉」に出かけます。
恒例になった年末の旅行です。
新年を「さのさかスキー」で迎える前に「温泉につかってゆったりと」ということで来ています。

スキー用具は既に送ってあるので荷物は少なく、リュック一つでやってきました。
ただ、中身はコンピュータ(iBook)とその周辺機器を入れているためずっしりと重いです。
仕事(原稿書きや推考)のためでもあるのですが、今回はDVDソフトを旅行中に観たくてiBookを持ってきました。

DVDソフトはイタリア映画「ニュー・シネマ・パラダイス」です。
数日前からたまらなく観たくなっていました。
この映画のことについては以前にも書いているのですが、DVDで出たということで購入していたんです。
時々無性に観たくなる映画の一つです。
<人の温かさ><映画作り(仕事人)の匠>に触れたくなったとき観たくなるのですね。
懐かしさでしょうか?もうイントロが始まったとたん泣いてしまいました。
それからは全編いくつも感心させられたり涙したりするシーンがあるのですが、特にラストがいいですね。
もう「人としての想い」が最後の数分間に凝縮されています。
主人公のトトが涙しながら試写室で観るフィルム。父のように慕っていたアルフレードが遺言として残したフィルムに、「人生に対する慈しみ」を見た思いで涙が溢れてとまりません。
見終わって、「希望」のエネルギーを貰います。

温泉につかりながら一年を振り返りました。
悩みの多い年頃になりましたね。(笑)
「音楽すること」の楽しさをもっと追求したいです。

「メッセージとしての音楽」が成り立つのか?
聴衆と演奏家がもっと親密にコミュニケートできる演奏。
我が国の多くの人たちが営む文化、その一領域のものとして聴き手を獲得できるような音楽。
借り物でなく、確実に演奏家としてのメッセージを伝えるような演奏。
<人の営み>を「音」づくりを通して伝えたい。
知覚・感情・思考の伝達の一手段として「音」づくりをしたい。
そんな演奏を志したいのですね。

映画の話です。
映画のトトの一途さが好きです。
アルフレードの一徹な愛情が胸を打ちます。
それら、セリフやストーリーを通して映画の魅力を追求した制作者に乾杯です。
それぞれのシーン(構図や色彩の美しさ、ハッとさせるカメラ・アングル)やセリフに涙を流しながら、こんな映画作りにも似た音楽づくりがしたいと思いました。

No.477 '02/12/29「年末の涙」終わり