No.478 '03/1/15

しなやかな若者


熱を出してしまいました。
大病も無し、熱もあまり出したこともない私が不覚にも(笑)、38度以上の熱を出してしまいました。
しかし、高熱でも「ウーン」なんていうこともなく、ちょっと「熱っぽいな」という感覚で過ごしてしまいます。

それでも外に出掛けるときはちょっと慎重になりますね。
他の人に迷惑をかけてはいけませんし、家に居るよりはやはり疲れ方が違います。関節は痛いし、頭もボーとして物事に集中できません。
出掛けるのを止めようと一瞬頭を過ぎるのですが、オーディションも近いので頑張って出掛けるんですね。
で、結局体はしんどくなるのですが、気分は良いんです。

14日の朝日新聞、「天声人語」に少し和まされました。若者の「しなやかさ」にちょっとばかり感動したといっていいかも知れません。

それを紹介する前に、いつも感慨深く読む大岡 信氏の「折々のうた」の同日のうたも心に沁みましたので、まずそちらから。

しんしんと柱が細る深雪(みゆき)かな

栗生純夫(くりゅう すみお)さんという方の(私は詳しくないのでこんな紹介の仕方です。すみません)うたです。
大岡氏の解説には栗生さん初期の大正15年の作で代表作と書いて有ります。そして「雪国の生活感情を短い語句に、まさに彫り込むようにした表現『柱が細る』は、作者自身にとっても<探しあてたぞ>という言葉だったろう」と書きます。
まさに私もそう思いました。『柱が細る』という言葉、心に残ります。日本語の奥行きの深さを感じます。

さて、そのうたに心動かされた私の目がすぐその下にある「天声人語」に移ります。
東洋大学が募集する毎年恒例の「現代学生百人一首」の紹介があるのですが、これがなかなかいいんですね。

”っていうか”ここから始まるしゃべり方短歌もここから始めてみたケド(高3女)

告白も別れの時も親指で今の時代はせつないものだ(高3男)

秋の午後机の上の陽だまりに誘惑されて遠のく意識(高1女)

どうしてか母はとってもロック好き借りたら返せおれのCD(高1男)

この部屋をあんたにあげると言う祖母の言葉の意味を解りたくない(高2女)

定期券見せて改札通る時言葉にならぬ誇らしさ(80才女、中2(夜間学級))

最後のうたはじーんときますね。
それにしても若者たちの「うた」が新鮮です。
50を過ぎた私が若者達の「しなやかさ」にハッとさせられるのは、私が古くなったからでしょうか?(笑)

No.478 '03/1/15「しなやかな若者」終わり