No.498 '03/5/31

「声楽クリニック」


台風4号がやってくるとき、それに立ち向かうように広島へ。
広島県高等学校音楽連盟、広島県高等学校教育研究会音楽部とNHK広島放送局が主宰する「広島県高等学校声楽クリニック」の講師に招かれてのことです。

史上3番目に早い台風だったそうですが、少し驚きはしたものの「クリニック」中止など心配せず広島行きの準備。
直撃かと思わせたのですが、朝は家を出るとき太陽の光は眩しく(笑)、新幹線は平常運転、そして広島に着いたとき雨は少し降っていたのですが風も無く拍子抜けの<心配事>でした。

「晴れ男」の面目躍如といったところです。(笑)

高校生、約100名が集まっての「クリニック」
前半は「発声」の話。
後半は今年のNHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲を使っての指導。
あっという間の3時間でした。

課題曲を歌って頂いた時の写真です。

メゾとアルトの方に向かって撮った写真です。

男声の姿が見えるので「混声」と思われるかもしれませんが、実は「女声合唱」ばかりの参加でした。
ということは上の写真に映っている男声は「カウンターテノール」というわけです。(素晴らしい!)

皆さん真剣に私の話を聴いて下さったし、またとても素敵な演奏をしてくれました。
今年の課題曲、「あしたはどこから」はとても難しいと思うのですがよく練習してくれていたのではないでしょうか。
指導していく中でも話をしたのですが、この曲、テンポが頻繁に変わりますし、変わるごとに表情も変化します。
指揮者の方もいろいろ迷われるかもしれませんね。
表情をいろいろ付けたいのですが、そう思いながらも一気に最後まで歌いきってしまうのではないかと心配するほどの構成です。
おまけに、原詩のフレーズや句読点と一致しない音楽のフレーズがあったりなどして、なかなか手強い課題曲となっています。

質問もたくさん頂きました。
なかなか痛い本質を衝いた質問、意見があったりしてドギマギする私です。(その辺を気が付いてくれればと思いつつ、クリニックしていたのですが(笑))
実に、私にとっては充実した時間を過ごさせていただいたのではないかと感謝しています。
どうか、悔いのない演奏を目指し、コンクールに向かって頑張って欲しいと思っています。

「ファルセット」や「胸声」の話、そして「ヴォーチェ・ディ・フィンテ」の発声。
純正なハーモニーも体験していただきました。
残念なのは「呼吸」や「声の支え」の話が出来なかったことですね。
またの機会があればいいのですが、もしこのページを見て、質問などありましたらMailを頂ければ嬉しいです・・・・・ね、と書いておきましょう。(笑)
忙しくしていますが、答えていきたいと思っています。

帰る頃、完全に今日台風が通り過ぎたことなど忘れていましたね。(笑)
帰りの新幹線、それは心地よい帰阪の途となりました。

No.498 '03/5/31「「声楽クリニック」」終わり